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新卒2年目社員がお届け!ノウハウプレゼン大会レポ

株式会社D4cプレミアムでデータサイエンティストをしている新卒入社2年目の瀬戸です。

弊社が大切にしている社内行事に、「ノウハウプレゼン大会」というイベントがあります。今回の記事では、私がこのノウハウプレゼン大会の発表者として、プレゼン準備から発表までの活動の記録を時系列順にお届けします。

弊社にご興味をお持ちの皆様に、メンバー成長の取り組みの一例をお伝えできれば幸いです。

2023年1月の大会で、私は以下のようなテーマでプレゼンを行いました。

※ちなみに、今回こちらの発表で社内賞をいただくことができました。部署をはじめ、関わってくださった皆様に感謝申し上げます。


執筆者について

学生時代:
  ・某大学院の地球科学系統の専攻
  ・プログラミングの経験 無 /データ分析の経験 有
発表時(入社2年目):
  ・主な業務はB to Cマーケティングに関するデータ分析業務
  ・使用言語はPythonが中心

ノウハウプレゼン大会での発表は今回が2回目です。昨年は自然言語処理に関する基本的な内容を発表しました。


ノウハウプレゼン大会とは

ノウハウプレゼン大会は、データサイエンティストのメンバーがそれぞれの知見をまとめ、全社員に対して発表する社内勉強会のようなイベントで、若手メンバーでもアウトプットを経験できる貴重な機会です。詳しい紹介は以下の記事にまとめております!ご興味ある方はどうぞご覧ください。


準備から発表まで

【11月 / 発表約3か月前】準備開始・スケジュールの策定・発表テーマの検討

この頃、2023年1月末開催の大会で発表することが決まりました。
発表時期が決まったあとは、まず発表までのスケジュールを立てました。発表が1月末なので比較的時間があります。

初めに発表テーマの選定から資料づくり、発表練習の期限などのスケジュールざっくり決めました。まず発表テーマを考えます。社内の「どんな人に」「どんな内容」を届けるのか考えていきます。具体的には、大まかに以下のようなことを考えました。

「どんな人に届けるか」:普段の業務に関係なく、幅広い人向け
「どんな内容を発表するか」:基本的な事項の説明

私は初めて内容を聴いた方でも理解しやすいように、基本的な事項の説明で内容を組み立てることにしました。これまでのノウハウプレゼン大会で他の方が発表してきたことや、社内に蓄積するべきノウハウを勘案し、自身の発表テーマを絞り込んでいきます。

上長へ相談しながら、次のようなテーマを候補に上げました。

1. LINE トークログの分析
2. Twitter APIの紹介
3. 深層学習による画像認識のタスク紹介

それぞれ詳しく説明していきます。

1. LINE トークログの分析
チャットデータ分析は担当案件で取り扱いました。デジタルマーケティングと絡め、業務ノウハウとして発表するというイメージがありました。ただ、自由に使えるチャットデータが手に入らない。自分のLINEを使うのもなぁ。ということでトークログはあきらめて次を考えることにしました。

2. Twitter APIの紹介
過去の案件でTwitterのデータを収集し、商品に対する口コミ分析を行った経験があります。SNSの活用はB to Cマーケティングに欠かせません。SNSは自社商品に対するアンケート調査を補完する重要な情報収集基盤として利用されています。各種SNSでは効率的に情報を収集できるようなAPIを提供しています。代表的なものがTwitterです。発表のイメージとしては、ある商品に対する販売戦略におけるブランディングイメージと、SNS上のイメージの差異をツイートから抽出し、その差異が商品戦略の次の一手を考える上での示唆になる。という内容を具体的に発表できないかと思い至りました。ここまで考えたとき、あまり充実感を持ちながらノウハウプレゼンを作れていない気がしてきます。なんというか、ワクワクしないのです。マーケティングを確かに扱っているけれど、SNSを活用した分析にはあまり触れていません。聴衆からの反応もイメージし、他のマーケティング案件を担当している方がおられる中で、実際に担当したことのない中途半端な業務ノウハウの発表になると思いました。そのため他の発表テーマを考えることにしました。

3. 画像認識のタスク紹介(実際に発表したテーマはこちら)
画像データの分析は案件で経験していませんが、深層学習系のテーマは個人的に興味深く、1年目のころから終業後や週末を利用して勉強していました(こう書くと勉強熱心な感じがします)。その積み重ねにより、少しずつですができることを広げてきました。しかしながら知見をまとめて発表するには、まだまだ理論をしっかり理解できていないことや、実装経験の不足という課題がありました。

4. その他
ちなみに他にボツとなったテーマに、人材系のデータ活用があります。人材業界や企業内のHR部門ではピープルアナリティクスと呼ばれるデータ分析を活用して、最適な人材配置を目指す考え方が主流になっているようです。少し調べたところ、某外資系コンサルティング企業の立派なスライドがありました。こちらも同様にデータ収集が障壁となり、企画の段階でボツとなりました。

【12月 / 発表約2か月前 】発表テーマ検討・決定

いろいろ考えて12月になりました。当初、11月中にスライドの初稿を完成させるつもりでしたが、テーマも決まっていない状況でした。

キーエンス出身の田尻望さんの著作「付加価値の作り方」を拝読し、マーケットインな考え方(市場でターゲットのニーズをとらえてプロダクトを生み出していく考え方)で、なるべく聴衆にとって面白いテーマを選ぶ点を意識しました。

聴衆のニーズや弊社の事業の方向性などを鑑みて、今回の発表では「画像系の深層学習手法」を紹介することにしました。

テーマ決定後は画像系の不足している知識の補完や実装などを行いました。実際に手を動かして、発表の材料を準備しました。

※画像内の資料はイメージです。

【1月 / 発表約1か月前】発表準備 スライド作成・発表練習

今回は画像データに適用する深層学習系の手法を紹介するということで、実際の案件で課題になりそうな部分を軸に以下の3点をまとめることにしました。

  • マルチラベル分類

  • 分類根拠の可視化

  • 物体検出

発表に使用する画像の用意、追加の妥当性の検証、物体検知タスク用のアノテーション※を行いました。

※アノテーション:物体検出タスクにおいて、物体の位置とラベルを指定することで教師データを作ること

↑物体検出モデルの1つである、YOLOを用いた検出例です。例として事前学習済みのモデルをそのまま利用しました。一般的には転移学習やファインチューニングなどの手法を用いて精度をあげていきます。

ノウハウプレゼンが近づくと、各部署で発表者のスライドの校閲が始まります。

メンバー間でスライドの構成や内容に関するコメント・修正点を指摘し合います。的を射た意見をいただきつつ、逐次修正を繰り返していきます。他の方の意見をいただく機会はとても貴重です。刺激になり新しい着想を得られます。

【発表当日】
2023年1月30日(月)、いよいよノウハウプレゼン大会当日です。
今回は発表者が12名と比較的多く、9:00開会で、17:30閉会とかなりの長丁場でした。

今回は業務ノウハウやクラウド・金融・マーケティングといった興味深いテーマが発表題目に並んでいる中、私は画像系の深層学習に関する手法等の紹介なので、かなりニッチな内容なのだと思います。

▼実際の発表内容をまとめた記事はこちら!

実は私は人前で話すことが苦手で、昨年の初めての発表は緊張してガチガチでした。ただ今回は案件での業務経験を積んできたこともあり、それほど緊張せずに話を進めることができました。話す内容への理解度が深まっていることも、緊張しなかった要因の一つだと思います。

自身の考えをまとめて周囲へ伝え理解いただくことは、案件を進めていく上でとても大切です。私は今回が2回目の発表でしたが、前回よりも確実にプレゼンスキルが上がったと感じています。また、資料作成のために理解を深めたり、実装を重ねたりと、ノウハウプレゼン大会をきっかけとした成長を感じることができました。

ノウハウプレゼン大会で得られるスキル

私が考える、大会での発表を通して得られるスキルをまとめました。

ハードスキル
・資料作成
部署の皆さんの忌憚ない意見はとても勉強になります。スライド構成や誤字などから、細かい議論が必要な指摘をいただけるのでとても助かります。

・資料の展開方法
それまで対面で集まって行っていたノウハウプレゼン大会も、コロナ禍をきっかけにオンライン開催になりました。当初は画面共有の作業ひとつにしても少し戸惑いがあったのですが、3年目ともなるとさすがに慣れたと思います。このような所作はそのまま業務でも活用できる部分です。時代に即した形で大会も変わっていきます。

ソフトスキル
・プレゼン能力・伝える力
ノウハウプレゼン大会に限らず、意図していることを他者に伝えるということは業務においても大変重要なスキルだと思います。いくら気を付けていても、言葉遣いや話す速度など細部に対する注意はやはり余裕がないとできません。経験の問題と言い切ってしまうとそれまでですが、人前で話すことを繰り返していくうちに少しずつ慣れてきます。他にも、画面共有の際にペンツール等で注釈を書き込んでいくなどの工夫はすぐできる上に、効果も高いので積極的に取り入れるべき発表スタイルだと思います。

・質問対応力
発表後の質問の時間には、他メンバーからチャットに書き込まれた質問に答えていきます。非常に盛り上がります。質問への対応は発表テーマへの理解の深さが試される部分です。

・傾聴力
発表だけでなく、聴く側にも得られるスキルがあります。発表中の聞く態度は大会を運営する上で重要ですし、各発表の要点をしっかり理解することは質問をする上でも大切です。メンバー全員が、常に質問できるように真剣に発表を聴いています。

・話し方
私は話すのが下手なのですが、何度も練習を行い、他のメンバーから指摘を受けることで当日はテンポよく話すことができました。また、他の方の発表を聞くのもとても勉強になります。

まとめ

ノウハウプレゼン大会はとてもよい機会
・真摯に向き合うことでさらにテーマに対する理解が深まります。
・人に伝えることを意識することで、資料作成スキル・プレゼンテーションスキルに磨きをかけられます。
・他人の発表を聴くことで、自分に不足している部分に気づくことができます。

ノウハウプレゼン大会の準備は、普段の業務と並行して行うためかなり苦労します。(年次を重ねると慣れるのかもしれませんが)エンジニアはアウトプットすることも重要だと思います。年に1度の発表の機会として力を出し切りつつ、今後も楽しんでいきたいと思います。

最後に

D4cプレミアムはメンバーの成長をとても大切にしており、このノウハウプレゼン大会もその1つです。上長からアドバイスをもらったり、メンバー同士で指摘しあいながら、自身の知見・ノウハウ・発表スキルを高めることで良い発表となり、ゆくゆくは業務への自信につながります。みなさんも入社された際にはノウハウプレゼン大会を楽しみつつ、自身のスキルアップに繋げていただければ幸いです。

(書き手:瀬戸 / 撮影:吉田)

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