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デザインとイノベーション

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#都市

Livable Proximity:近接の経済に向けて

近接の経済に向けて 「現代の産業社会が、これに先立つもっと単純で質素であった社会より、人間の幸福の増進により大きな貢献をするだろうと考える理由はどこにもない。他方また、昔もっとしあわせであったとかもっと人間的であったとかよくいわれるようなそういったノスタルジアも、あまり経験的な根拠があるとはいえないのである」(Simon, 1996, p193)というSimonの語りは、Covid-19の最中、本書を書いたManziniと重なる。ここでは、担当した「3章 ケアする都市」を核

複雑性デザイン:近代主義的な意味での「デザイン可能なシステム」ではない

 ManziniのLivable Proxity[1]の第3章ケアする都市、第4章、第5章(書きかけ)を読む。これらの章は、非常に内容に富み、再度読み直したい。 近接性へのアプローチ:多様性,関係的,ハイブリッド Manziniは、物理的な近接性(生きていくことを可能にする機能が存在する近傍)と、関係的な近接性(「近い」と感じる人間的な親近感、相互の共感と信頼の感覚)の2つの近接性の重要性を指摘する。物理的な場はそこに集う人々のコミュニティを創り出す。  物理的および関係