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夜更けの思索宮

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時には哲学を、古代ギリシャを、あるいは皮肉やのイタリアの彼氏のような、ちょっといつもの場所をはなれて遊ぶ
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2022年3月の記事一覧

イタリアの悲観主義:根底にある主流への拒否感

 今回は、『イタリア的:「南」の魅力』ファビオ・ランベッリ第5章 「イタリア的悲観主義ー明るさは暗く、暗さは明るい」と終章「イタリアから何が学べるかー新しい人間観へ」です。 不信の文化の裏側にある家族愛 前回イタリアの社会は、「家族」を基盤とする一方、その他の相互理解が欠如気味であり「不信の文化」と呼ばれる。多くのイタリア人にとって、「明るさ」は人を操るため、利用するために使う「一種の武器」である。この非公式な家族的コミュニティと公式な社会組織、理想的な暗さと戦略的明るさと

イタリア人の家族主義と根源的「不信の文化」

 今回は、『イタリア的:「南」の魅力』ファビオ・ランベッリ第4章 「イタリア政治の不思議な世界-カーニバルとユートピアのあいだ」です。 イタリアの右翼と左翼  通常、右翼保守的、左翼革新的というふうに使われるが、イタリアでは異なっており、右翼は、ファシスト、自由主義、キリスト教系の政党で、左翼は社会主義や共産主義とされる。90年代初頭の政界の大再編が起こり、フファシスト的な要素が弱まり。キリスト教派と共に「国民連盟」となる。ベルルスコーニが新党を結成に、1993年に「がん