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CMソング

不思議なものだと思う。

僕は当時ほとんどテレビを、民放を観ていない。
にも関わらず、CMには興味があった。

たぶんCMのタイアップで、
ヒット曲が生まれていたからだと思う。

いや正確に言えば、名曲が名CMを生んでいた。

1988年から1992年まで放映された、
JR東海のCM「エクスプレス」シリーズ。

中でも「クリスマス・エクスプレス」で起用された、
山下達郎の「クリスマス・イブ」は、
今でもクリスマスの定番ソングだ。

実はこの曲は1983年にリリース済みで、
山下達郎の名アルバム「MELODIES」から、
シングル・カットされた時はオリコン44位。
それが89年、90年に1位を獲得する。

1985年頃、日清食品カップヌードルのCM、
「ハングリアン民族」シリーズをご存知だろうか。

ハウンド・ドッグ「ff」、
中村あゆみ「翼の折れたエンジェル」、
大沢誉志幸「そして僕は途方に暮れる」、
尾崎豊「シェリー」など、数々の名曲が起用された。

うまく言えないが、ヒット曲を作ることより、
名曲を世に送り出すことに興味があった。

なぜかトレンディ・ドラマの主題歌は、
ヒット曲を生んでも、名曲は生まれない、
というのが僕の勝手なイメージだった。

毎年5月のカンヌ国際映画祭に続いて、
6月にカンヌ国際広告祭が行われる。

今のカンヌ・ライオンズだ。

小説家や映画監督を目指していた僕にとって、
広告を仕事として考えるようになったのもこの頃だった。

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