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新譜が吸い込まれる瞬間

それはまるで結婚式

- 新譜
(新しく作られた曲譜。そのレコードやCD。)


レコードショップに足を運ぶ。

手に取った新譜。
あの高揚感が、たまらなく好きだ。

ワクワクしてたまらない。

早く聴きたい。
早く感じたい。

そんな事を思いながら、家路につく。

家に帰ると、
まずはジャケットを眺める

妄想を膨らます
  「このCDにどんな物語があるのだろうか」

一体この一枚に、
どれだけの思いが込められ
どれだけの人が関わり
どれだけのドラマが生まれ
そしてこの先どんなストーリーが始まるのか。

この妄想が、楽しみの3割を占める。

妄想の後は、大切に丁寧に袋を開ける。
開封後、袋は被せ直して保管するため、
興奮で荒ぶり、袋を破いてしまうのは、
最大の悲劇だ。

帯は捨てない。
これは取っておきたい人が大半だと思う。

さあ、扉を開けよう。

開くと、CD、歌詞カード、公演情報カード、
たまに写真集などが入っている。

歌詞カードは見ずに、他の物を眺める。
じっくりと眺める。

あぁ、なんて素敵なんだ。
と、毎回思っている気がする。

個性が現れる。

特大の想いと、特大の愛に
押し潰されそうになる。

そして、ようやく訪れる、
プレイヤーに板をセットする
さあ来た、

新譜が吸い込まれる瞬間

これが、たまらなく好きなんだ。
自分のものになる瞬間
永遠を誓う瞬間
ストーリーが始まる瞬間
愛と愛がぶつかる瞬間

新譜に愛を誓う瞬間

結婚式なんだ。

神父に愛を誓う瞬間

そう、結婚式。

永遠の愛を誓う。
愛し続ける。

嗚呼、たまらない。

いや、まて、

何回目の結婚式なんだ。

と、毎回思う。

今まで新譜が出るたびに結婚式を開催して来た。

幸せな不倫ではないか。

ちなみ人間の不倫は大反対。

最低だ、、。

結婚式が終われば、
あとは披露宴。

まずは目を閉じて一周。
次に歌詞カードを見ながら一周。
長い長い披露宴。
終わることはないだろう。

これから先、何回結婚式が開催されるのか。

CDは廃れる一方だ。

またCDに火をつけようだなんて思ってはいない。

新しい楽しみ方を見つける
新しい楽しみ方を共有する

すでに始まっている配信の時代
これからはCDがレトロな楽しみ方に
なるのかもしれない。

この楽しみ方を知ってほしい。

火をつけようだなんて思っていないとは言ったが、

これはミュージシャンを助けるためにも

大好きなミュージシャンに少しでもいいご飯を
食べてもらうためにも

CDを手にしてほしい。

結婚式を開催してほしい。

新譜へ、神父へ、愛を誓ってほしい。

以上。

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