chizu

本が好き。特に平野啓一郎さんが好きです。コルク佐渡島さんのnoteサークル『文学を語ろ…

chizu

本が好き。特に平野啓一郎さんが好きです。コルク佐渡島さんのnoteサークル『文学を語ろう!』に参加中。

記事一覧

【読書会感想】僕はこの詩が好き

#文学を語ろう  初めてのオフライン読書会で、フェルナンド・ペソア『ポルトガルの海』を読んだ。 ペソアの詩は孤独だった。 読者の私に何も個人的なことは、明らかにし…

chizu
3年前
9

【読書会感想】悪童日記を読んで

コロナ禍で13年間通ってきた茶道教室に行けなくなり、半年が過ぎた。 この分人を生きられないことはつらい事だが、今は代わって文学サークルに参加することが、新たな経験…

chizu
3年前
4

【読書会感想】そこから小説がはじまる

#文学を語ろう の読書会、今回の課題本イーユン・リー『理由のない場所』を直接語ることは、苦しくて、酸素が少なめで、言葉が発せられなくて、出来そうにない。 そこで…

chizu
3年前
9

【読書会感想】何かが損なわれるということ

人が記憶を物語るのを聞きながら、こんなに自分の記憶が呼び起こされることがあっただろうか。 #文学を語ろう の読書会ティム・オブライエン『本当の戦争の話をしよう』…

chizu
4年前
5
【読書会感想】僕はこの詩が好き

【読書会感想】僕はこの詩が好き

#文学を語ろう  初めてのオフライン読書会で、フェルナンド・ペソア『ポルトガルの海』を読んだ。

ペソアの詩は孤独だった。

読者の私に何も個人的なことは、明らかにしてはくれない。

「僕」で語られる詩の、僕はどんな人でどんな人生を生き、そこからどうして深い孤独を感じ、詩を書いているのか、分からなかった。

私は詩や小説を読んだり、美術館で絵画を観たりするとき、まず作者の来歴を読んでいた。

こうい

もっとみる
【読書会感想】悪童日記を読んで

【読書会感想】悪童日記を読んで

コロナ禍で13年間通ってきた茶道教室に行けなくなり、半年が過ぎた。

この分人を生きられないことはつらい事だが、今は代わって文学サークルに参加することが、新たな経験になっている。
#文学を語ろう の読書会、八月の課題本はアゴタ・クリストフ『悪童日記』だった。

戦時下を生きる双子達と個性的な登場人物達が、感情表現の極めて少ない簡単な文章で綴られている。
アゴタ・クリストフが出版社に自らこの作品を

もっとみる
【読書会感想】そこから小説がはじまる

【読書会感想】そこから小説がはじまる

#文学を語ろう の読書会、今回の課題本イーユン・リー『理由のない場所』を直接語ることは、苦しくて、酸素が少なめで、言葉が発せられなくて、出来そうにない。

そこで、死者に語りかけるということから思い出した私の好きな作家、須賀敦子の文章の一節から近づいていけたらと思います。

須賀敦子『本に読まれて』 「小説のはじまるところ 川端康成『

もっとみる
【読書会感想】何かが損なわれるということ

【読書会感想】何かが損なわれるということ

人が記憶を物語るのを聞きながら、こんなに自分の記憶が呼び起こされることがあっただろうか。
#文学を語ろう の読書会ティム・オブライエン『本当の戦争の話をしよう』の回で、
佐渡島さんの南アフリカでの話を聞きながら、私は高校時代のある出来事を思い出していた。

高校3年の夏休みのある朝、めずらしく母に起きてきてと声をかけられた後に、テレビのニュースで知ったのだと思う。

私の通っていた高校の同級生

もっとみる