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【読書会感想】僕はこの詩が好き
#文学を語ろう 初めてのオフライン読書会で、フェルナンド・ペソア『ポルトガルの海』を読んだ。
ペソアの詩は孤独だった。
読者の私に何も個人的なことは、明らかにしてはくれない。
「僕」で語られる詩の、僕はどんな人でどんな人生を生き、そこからどうして深い孤独を感じ、詩を書いているのか、分からなかった。
私は詩や小説を読んだり、美術館で絵画を観たりするとき、まず作者の来歴を読んでいた。
こうい
【読書会感想】悪童日記を読んで
コロナ禍で13年間通ってきた茶道教室に行けなくなり、半年が過ぎた。
この分人を生きられないことはつらい事だが、今は代わって文学サークルに参加することが、新たな経験になっている。
#文学を語ろう の読書会、八月の課題本はアゴタ・クリストフ『悪童日記』だった。
戦時下を生きる双子達と個性的な登場人物達が、感情表現の極めて少ない簡単な文章で綴られている。
アゴタ・クリストフが出版社に自らこの作品を
【読書会感想】そこから小説がはじまる
#文学を語ろう の読書会、今回の課題本イーユン・リー『理由のない場所』を直接語ることは、苦しくて、酸素が少なめで、言葉が発せられなくて、出来そうにない。
そこで、死者に語りかけるということから思い出した私の好きな作家、須賀敦子の文章の一節から近づいていけたらと思います。
須賀敦子『本に読まれて』 「小説のはじまるところ 川端康成『
【読書会感想】何かが損なわれるということ
人が記憶を物語るのを聞きながら、こんなに自分の記憶が呼び起こされることがあっただろうか。
#文学を語ろう の読書会ティム・オブライエン『本当の戦争の話をしよう』の回で、
佐渡島さんの南アフリカでの話を聞きながら、私は高校時代のある出来事を思い出していた。
高校3年の夏休みのある朝、めずらしく母に起きてきてと声をかけられた後に、テレビのニュースで知ったのだと思う。
私の通っていた高校の同級生