秋の夜長の詩の集まり
無言の朝
ぼこり
ひとつ泡をはいた、夜
陸に上がりヒトと関わる
それだけのことが
なんて難しいのだろう
口を開くたび出てくるのは
きらきら透明な泡ばかり
苦しみと悲しみの色がついていたら
どんなにか綺麗だろうと
ふわふわ流れていくのを見送った
静かに
またひとつ泡をはいた、朝
self-improvement
自分がどう見えるかなんて
気にしないで生きていきたい
自分らしくなんて言葉さえ
忘れるほどに自然体でいたい
そんな望みを
オリオンから降る星に託す
私の弱さを変えたい
漆黒の薬
すべてを
急になげうってしまいたくなる夜
朝になれば
きっとすべて忘れる
眠りは忘却
最高の薬
どんな悪い妄想だって
たちどころに消しさってくれる
一滴のしずくでもいいの
漆黒の薬よ
早く私のもとへ
おかえりなさい
何時間だって何日だって何ヵ月だって
のんびりしたりおやすみしたり
心とからだをいちばん大切にして
マイペースをつらぬいてもいいと思う
そんなあなたを
紅茶を飲みながら編み物でもして
ゆっくり待つのもいいなと思う
おかえりなさい