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冬の足音を子守唄にして

冬はセンチメンタル
薄曇りの空に凍てつく風
心まで凍るから
自分を褒めてかわいがって
ときどきはあっためてあげたい

あがったりさがったりな日常を文字にしたためている素人の詩集です

不連続な人生


朝起きてコーヒー淹れて
洗濯してテレビ見て
仕事へ行きくたびれて帰る
何も変わらない
それが日常だと思っていた

文字の世界に飛び込んで
顔も知らぬ人々の魂に
こんなに心をそわせるなんて

予想は裏切られ
理想はかけ離れ
これも生きる楽しみかと
部屋の隅のパキラに問う


音の記憶


からっぽの頭にめぐる音たちを
指で辿ってみるものの
心が動いたことだけが
ぽつぽつと文字になりかわる

すごい、感動、泣いた、だなんて
語彙力無力味気なく
だから無言が無難かも
なんて開き直ってみたけれど

誰かの言葉じゃなくて
誰かの知識じゃなくて
私の感性、文字にしたい

かたまる心


助けてと言えないのは
強いのか弱いのか
わからなくなっている
きっと寒さのせい
きっと寂しさのせい
きっと空腹のせい

そんなぐるぐるとした悩みが
バスの中のおせんべいの匂いで
消えた
醤油の美味しい匂いが
心までこわばった私を
少しだけ楽にした

空へ


天使の羽みたいな雲が浮かんだ空
昇っていく子らを
迎えに来たのかな
降りていく子らを
見守っているのかな
ふわりと
優しい風が通り抜けた

願い


ちっぽけな私が
何を願ったところで
お月さまにもお星さまにも届かないなら

せめて眠れる暗闇をちょうだい

#詩
#日常
#人生