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またもやのPの喜劇(?)。 怒涛の蟹のトマトクリームパスタ

幕前の口上

とある日曜日の出来事でございました。昨年末は見なかった極安の生きた毛蟹が、鎮座ましましていたのでございます。ここで会ったが百年目、って仇ではありませんが。
もう、これ見たら買うしかない、不退転の気持ち(?)で買い求めて、るん!と家路をたどったのでございます。ここから悲劇(喜劇?)が始まるとはその時は思いもせず。

東海の小島の磯の白砂に
われ泣きぬれて
蟹とたはむる
石川啄木『一握の砂』

表紙の写真でなんとなくお気づきかと思いますが、そうです。4週連続となってしまったのでございます。
普段は、”蟹、いいなぁ”と指を加えて見てるだけ〜、水槽に鎮座してるのなんて、5桁いきますからね。以前何回か冷凍の極安の買ったことあって、冷蔵庫で2日かけて解凍しようがレンジの解凍モードでやろうが、お肉水っぽくなって味が抜けてしまって。世の皆様はどうしてるんかしらん?と。ま、そもそも安いのには理由があるのかもですが。
で、なんの話かといいますと、足が欠けていたり身を食べるには小ぶりだったりするものが時々市価の1/3~1/4で出てくることがあって。それが普段はたま〜にしか出てこないのに、4週続けて出ていたのでございます。それも生きててまだ泡ぶくぶくしてるのが。やっぱり行き場を失っているのでしょうか。
で、うち、蝦蟹好きが多いので、これがあると無言で見つめられ、、、プレッシャーが半端なく、もう買うしかないでしょ、になって。。。生からの茹でたて、最高に美味しいですからね。。。食べる方は祭りですが、作る方は、、、で、PATAの悲劇、というより喜劇ですね(笑)。

そういえば以前にも喜劇があったなあ。本人も忘れかけてて。

と、note的にはほとんど同じこと4回も繰り返すわけにもいかず。本人はちょっとづついじってレベルアップしようとあがいてるんですが、ご覧になる方にはだるいですね、で、4回分まとめて怒涛の一揆!は佐倉惣五郎で、一気にまいりますっ、な今回をご笑覧いただけると嬉しいです。

第一幕 蟹捌き

毛蟹3回ズワイ蟹1回。ほぼ同じやり方してますので、ここは代表で、ズワイ蟹さんで。

カニ・カニ.001

30cmのバットからはみ出るくらいおっきい。

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なにするんじゃ〜、とまだ動いててこんな写真になりました。
うちにある一番おっきなフライパン(40cm)に無理無理におしこんで蓋して水入れた薬缶で重しして、ぶふぉ〜っとワイン蒸し〜。こんな殺生繰り返してたら地獄行きでしょうね。業火に焼かれてローストポーク?飛べない豚はただの豚だぜぃ。

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そういえば、おいたんが先日紅ズワイガニでパスタ作られてた時、生でさらっと捌いてらして。

なるほど〜、さすが〜、と思ったんですが、うち、身だけも食べたい原理主義者がいるので、一旦無視、じゃなくて蒸して身だけでも食べられるようにしないといけないのでございます。こんな面倒、もとい、食べる人のリクエストに応えるのが調理人の務めと心得ておりますので(笑)。
ちなみに、この時うちは2回目の時で、おいたんの華麗な技の後に出すの恥ずかしいな〜、と思ってて。どたばたもあって、この記事かきあげる前に第3回に突入してしまって、さらにもう一回、たった四杯で夜も眠れず、は上喜撰、ペリーもびっくりの四盃の蟹様の来航じゃぁ〜!って、なんのことやねん。

良い加減に蒸し上がりました、の図。

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ちなみに、毛蟹のトゲは痛いです。綺麗な薔薇には棘がある、美味しい蟹にも。最初のころ指が傷だらけになりました(泣)。

休日の夕餉の支度の調理中
我泣き濡れて
毛蟹とたはむる
PATA『一盛のパスタ』

慣れると、どこを持てば良いかわかってくるので、、、と油断してると、”なめんなよ〜”とブスッとくることがあったり。

で、ズワイさんは棘ないから楽ちん楽ちん、と思ってたら、りっぱな大人なので硬いのです。硬いところは満身の力こめてもなかなか切れず。鋏持つ手がつりそうになって、結局南極痛い目に。プロは出刃でスパッとやってますが。で、なんとかかんとか身の方は無事取り出して。これはトッピング用。

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お味噌の方はソースに加えるので、この後で。

毛蟹さんだとこんな感じ

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そういえば、カニは10脚で、タラバガニはヤドカリから進化したから8脚で、と生物のセンセから聞いたような。身の感じが違うのはこれのせいかものカモノハシ。

第二幕 蟹味噌を入れたトマトクリームソース

常連の方には見慣れた風景でございますが、一応プロセスをお見せしておきます。

ベースのトマトソース
うち流の野菜の味濃厚系で。玉ねぎ、セロリ、にんじん微塵切りにして、じっくり狐色になるまで、炒めるというより、少ないオリーブオイルで煮る感じ。焦げると蟹さんの風味殺しますからね。

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ここにトマト缶どぶっと入れて、海塩ひとつまみ。30分くらいくつくつ。

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蟹味噌の臭み抜きと風味付け
ニンニクと鷹の爪をオリーブオイルでくちゅくちゅ。風味付けなので焦げないように。

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ここに取り出した蟹味噌とか飛び散ったカニの身とか投入。ちょっとふつふつとしてきたら、白ワインドボっと加えて、強火でシュワワワ〜っと水気飛ばして。

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これをトマトソースに加えて、ブレンダーでなめらかになるまでギュイイ〜ンと。

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毛蟹さんのお味噌はちょっとクセがある強めの旨味、ズワイさんのはやさしくつつみこむような美味しさ、どちらもいい感じです。トマトソースが強いので、ここに身を入れてしまうと身の味が楽しめないから別にして欲しい、というのがリクエストの主旨で。ごもっともで。
蓋して少し寝かせて味を馴染ませてから、フライパンに移して、生クリーム投入。トマト缶400gに対して、35%の生クリーム100mlくらい。あんまり入れると蟹さんのやさしい味が消えてしまうので。

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第三幕 パスタを作る

毛蟹の時に一度ディル入りを試してみたので、その回のものを。
デュラムセモリナ100%、卵黄多めの全卵、岩塩1%、加水率55%で。
よく水回ししてから、15分くらい優しく捏ね捏ね。ラップしておやすみ。

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30分くらい休ませたらまたコネコネ、を2回繰り返して。柔肌の暖かき生地に触れも見で、寂しからずやnoteを見る君、なんちゃって。このへんになるとこねるのきもちいいです、って普通の人はやらないですね。相変わらずの変態全開です。

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いつもよりうす〜く伸ばして

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ディルをちぎってぱらぱらと

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もう一枚生地乗せて、いつもの厚さに延ばして。

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タリアテッレの幅に切って。

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セージを挟むと、わりとがつっとセージの風味が出てきますが、ディルだとほのか〜に噛んだときに香りが立ってくる感じ。ハーブ好きにはたまらないです。

フィナーレ

いつものように、海水くらいの濃さに海塩入れた湯でパスタ茹で茹で。湯切りして温めておいたソースにドボン。茹で汁少々入れてよく和えて。

毛蟹その壱

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毛蟹その弍

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毛蟹その参

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ズワイ蟹

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並べてみると、麺の幅とかコシとか、ソースの量とか少しづつ変えているのがお分かりいただけるかと。。。何をどのように食べさせたいかでちょっとずつコントロールできるようになってきた気がします。ま、美味しければ良いということで。
ちなみに、ズワイ蟹が一押しでした。。。これは滅多に安くならないですからね〜、次にお目見えできるのはいつのことやら、です(笑)。

わたしはぼちぼち違うもの作りたいな〜な、モード全開なのでございますが、、、また在わしたらどないしまひょ。逃げられんな〜、と覚悟は決めておりますが(笑)。

今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
明日からも素敵でありますように。

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日暮れ刻、帰り路を急ぐ鳥たち

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