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大地をいただく超時短の付け合わせ 五度目のPの喜劇の裏で

春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。

たまには格調高く始めとうございます。って、胃拡張のまちがいちゃうん、とつっこまれそうですが。はははは。

清少納言は早起きだったのですね。弥生も半ばになると日の出は6時前ですから。もっともまだ蝋燭もなくて荏胡麻油とか燃やしていたころだから、日の出とともに起きて日の入りとともに寝る健康的な生活だったのかも。
春眠暁を覚えず、と行きたいところですが、なかなかそうもいかず、騅逝かず、騅の逝かざる如何とやせん、と四面楚歌。いえ、別に攻め立てられているわけではありませんが。虞や虞や、汝を如何せん、なんて泣けますよね、って何の話やねん。

で、ええかげんにせいや〜、と思し召しかものカモノハシですが、やむなくの時短メニューというか付け合わせを。そういえばカモノハシ、哺乳類なのに卵で産んでお腹の中で育てていたような。お顔がカモで体がしっぽのないビーバーのようで、どっちやねん、な感じに親近感。

根菜類、焼いても美味しいですね。流石に大根は下茹でしてからでないとゴキゴキになることもありますが。土臭さも、焼くと大地を思わせる香りに変わるのですきだっだりします、の2品。素材が美味しい時は、わたしなんかが下手にごりごりやるとかえってとんでもないことになるので、ってよくやってますが(笑)、風味を引き出すだけの最小限手を加えるだけ。作り方は改めてご披露するまでもないので、出来上がりの証拠写真(?)だけで。

どちらもぎりぎりで火を通したいので、いつものグリルの放置プレイでなく、フライパンでやってます。ま、ちょっと手間ですが、時間はかからないというお話もございます。

蕪のソテー オリーブオイル風味

よくあらって、髭根と葉の根本の土がついたところだけ取って。葉は、お塩ぱらっとして強火でちょろっとのオリーブオイル回すような感じで煽りながら。シャッキシャキのままぎりぎりで火を通す感じ。茎(白い丸いところは茎だそうです。下にひょろ〜っとついてるのが根)は八つ割にして。皮のところが一番美味しいので剥きません。薄くひいたオリーブオイルで中火で両面かるく焦げ目がつくくらい。う〜ん、もうちょいかな〜くらい火が通ったら、塩胡椒で味付けして、あとは予熱で。蕪は生でもおいしいですからね〜。焼いたところが少しとろっとして甘みと、中がほんのりこりっとして辛みがのこっているくらいのバランスが好きです。下手するとこれ、なまやけちゃうん、のぎりぎりで。

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長芋のソテー 焦し醤油とごま油風味

皮剥いて、薄くごま油ひいたフライパンで、中火で両面かるく焦げ目がつくくらい。芋を取り出して、醤油ちょろっと入れて、じゅわ〜っと軽く煮詰めつつ香ばしくして、焼いたお芋にたら〜っとかけて。焼いたところがかりっと、その内側はほくほく、芯のところはまだ粘りが残ってるくらいの感じが好きです。

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どちらも素材の味を楽しむ、猟師料理のような野趣溢れる感じで。

と、ここまでお読みいただいて、付け合わせ、ってことは、主菜は?とお気づきのあなた。鋭いです。お笑いくださいませ。二度あることは三度あるだけでなく四度、だけでなく五度目の蟹さんのパスタだったのでございます。
ほんと、極安の生きた毛蟹さんがいると、これ一択になってしまって。”これでもいい”でなくて”これがいい”とご指名が飛ぶからしかたないですね〜、と言いながら嬉々として作ってますが。
毛蟹さん捌くたびに指に棘傷ができるので、これぞ料理人の勲章!なんちゃってな手に(泣)。

作り方はこちら

一応証拠写真(?)を

オレを食う気か?棘はだてじゃねぇぞ、とお怒りの毛蟹さま。
確かに痛うございました。

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パスタはディルを挟んだタリアテッレ

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で、いつものトマトクリームで仕上げたのでございます。

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蟹ときて、棘に負わるる我が身かな 別の料理も夢のまた夢 なんて。秀吉さんに怒られそうな。
ま、美味しく食べてもらえるのが料理してての一番の糧でございますからね。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございます。
明日が素敵な日となりますように。

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朧に霞む日の出。空気はもう春ですね。

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