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イタリア地パスタその3 ピアチェンツァ風トルテッリ。 と、タリアテッレをアメリケーヌで。

前口上、またはまくら

 表題が長い!って誰がつけとん?ってね。中身はシャキーン!としたイタリア地パスタシリーズの3回目です。うううう、このペースだと全部終わるまでにどんだけかかるねん、って。聞いたこともない素材とか手に入りにくいのもあったりして、そもそも作れんかも、って。ま、ライフワークかな、ってどんだけ気が長いんや〜、ですねw。

 今回作るのはエミリア・ロマーニャ州の都市、ピアチェンツァのトルテッリ。ピアチェンツァの名前は毛織物で有名ですが、こちらはブランド名で、作られてるのはピエモンテ州の北の方にあるビエッラらしく。もうややこしいことやめてや、ってね。ピアチェンツァ出身の有名人といえば、服飾デザイナーのジョルジョ・アルマーニ。すぐ近くにロンバルディア州のクレモナがあって、こちらはバロック音楽草創期を創ったモンテ・ヴェルディアマティストラッディバリウスとかバイオリンの名器が作られた工房でも有名ですね。と偉そ〜に書いてますが、行ったことないし全部受け売りですwww。いえ、クレモナ、といえば、あの銘作”耳をすませば”で。俺、イタリア行ったらお前のあの歌歌ってがんばるからな、なんてwww。

 ともあれ、ここで伝統的に作られてるトルテッリ、ちょっと変わった形してて。

 以前作ったサルディーニャのクルルジョネスと似てますが、端を閉じないで蝦の尻尾みたいにしておくのが特徴らしく。編み編みの感じがちょっとディアンドルのウエストの紐みたいで、ごっつぅかわゆくないですか?。謂れとかは調べたんですがよくわからず。同じように豊穣を願って麦の穂を模ったのかも、って知らんけど(笑)。

 で、まあいつものように、作りた〜い虫が疼きだして。ただこれだけではちょっと寂しいかもの長明さんなので、お安くなってた蝦さまもお連れして定番となりつつあるアメリケーヌも。お察しのとおり、こちらはリクエストだったり。ま、泣く子と地頭には勝てぬとももうしますし、頼まれたら叶えてなんぼの調理人ですから(笑)。にしても、もう誰も驚かないかものパスタxパスタの組み合わせ。ま、お好み焼きとご飯とか、饂飩と加薬ご飯とかありますから〜、な、炭水化物デュエットな今日のお話、御用とお急ぎでない方は、ずずずぃっと、ご笑覧いただけると嬉しゅうございまするぅううう〜、カチカチカチカチカチ、しゅるるるるううう〜(と幕が開きますwww)。

パスタ生地

 いつもと変わらんやろ〜、って思し召しのあなた。お包みものを作る時は生地の伸びがいるんで、のび〜っとしてもらうために、この日の湿度に対して、ほんの僅か加水率を上げているのと卵黄の比率を下げてたり。ただやりすぎるとタレパスタになったりも。もうイタリアのマンマたち、計りもしないで作ってたりして、長年の経験と勘がなせる技なんでしょうね。以前真似してえらいめにあったんで、それからこれだけはきちんと計量するようになりましてん。

アメリケーヌと併せるタリアテッレ

 濃厚なソース、少し幅広のパスタの方が相性が良いのでこれで。手で切るとソースに併せられるよう幅変えられるのがいいところ。ほんとはパンタグラフ、ってパンダのグラフちゃいまっせ、電車の屋根についてるほう、って最近のはくの字型だったりしますが、を、並べたみたいなパスタカッターとかあって、一気に同じ幅に切れていいですが。。。ま、うちで作るぐらいの量だとそこまで時短しなくても、というかこれ以上お道具増やすと狭小キッチンに置き場がない、っていう切実な問題もあったりしてますw。

波刃で切っているのは、少しでもソースの絡みを良くするためだったり。
イタリア人、ほんまどんだけ食べることに命かけとんねん、な感じで大好きですwww。
鳴門の渦潮というか、ゼンマイの若芽のような。いつの間にか高級食材になってしまってますね。

アメリケーヌのソース

 以前はセロリの葉はいれないで、むしゃむしゃしてたんですが、最後にブレンダーかけるようになってからはもそもそしないし、ほんのり苦味がアクセントになるんで葉も入れるように。いろいろやってみて、茎と一緒に炒め始めた方が青臭さが残らないのでいいかも、です。

蝦さまはアルゼンチンアカエビ。以前はバナメイエビ使うことが多かったんですが、最近高くなったり頭ないのしか置いてなかったりするんで、これに。以前大量死した後まだ回復してないのかも。ただ、アカエビさま、解凍の仕方が悪いのだと身がぐずぐずだったりするんで、買う時には注意がいりますね。
 頭はバラして、おミソしっかり出して、ついている身も加熱してからこそげたりします。出せるもんは全部出せ〜、お出汁もだせ〜、身包みおいてけ〜ってほとんど追い剥ぎのような(笑)。

カレー粉は臭みを抑えるため、ってロブションさまの教え。ほんのり香るくらい。ほんとは卵白と片栗粉でちゃんとチャン(©️ケイチェルおじさん)した方がいいのでしょうが、このために卵白使うのも、なんで薄力粉で代用。殻を空炒りするのも生臭さを抑えるため。少し香ばしくなるくらい。

 由緒貧しい山育ちのせいで、生臭いのに超絶弱いので、下処理は丁寧に。平気な方はここまでやる必要は全くないです。

以前は白ワインだけだったんですが、どうもワインだけだとお出汁の出が悪い気がして。
で、一度ワインで匂い飛ばしてから、たっぷりのお水で煮出して、煮詰めるように。

トルテッリのリピエノ

 中につめつめするものをリピエノと言うラスク、ちゃう、らしく。ラスクも美味しいですがwww。だったら詰め物、って言えってね。いえ、なんか詰め腹を切る、とか詰む、とか良いイメージないでないですか、ってなに時代の話してるんですかねw。そういえば、ご乱心召されるな、殿中でござる〜、っていうのを電柱がござる〜って聞き間違えてた恥ずかしい過去も。どんな耳しとん、ですね。赤穂浪士に申し訳が立たんので、座ってますです(笑)。
 電灯的じゃなくて、点灯的でもなくて、天道的、ちゃう、伝統的にはリコッタと法蓮草に卵黄とナツメグなんかを入れるらしく。うちで作る量で卵黄一個いれたらとろとろになりそうだったのでなしで。

どうも和心はんなりな法蓮草、茹でると味がやさしくなりすぎるんで、チーズに負けないようにレンチンで。リコッタは最近極安で売ってるの見つけたイタリア産。kaorinaさんが使われてるのはもっと美味しそうな。
レモンはちょろっと絞って、味を引き締めるぐらい。法蓮草ほぐすようによく混ぜて。

ピアチェンツァ風のトルテッリを作る

 あ、なんでこんなに長ったらしくわざわざ、って、普通にトルテッリって言うと別名ビーナスのおへそ、ってちょっと艶っぽいお名前のパスタの方になって。小さいとトルテリーニ、中くらいがトルテッリ、おっきいとトルテローニと言うらしく。

生地はパスタの2/3ぐらいの厚みに。パスタマシーンの厚さ調整ノブでいうと一目盛り回して。

 これは楽し〜、って嬉々としてやってたら、どうも手がクルルジョネス作る時の癖が抜けてなく、閉じ目を凹にするところを凸にしてしまって、出来損ないの餃子のように(泣)。どっかでリベンジしたいですぅ、って戦いちゃうってね。

不揃いな餃子たち、な感じ(泣)。って餃子さまに失礼ですね。

バタークリームソース

 ご本家はセージバターらしく。ただ、バターだけだとちょっと重くてくどくなりそうなのと、アメリケーヌの生クリームが残るんで、バタークリームに。セージの代わりにレモンの皮すりすりして爽やかさ加えて。酸味が加わると相性悪いような気がしたんで、果汁の方は加えずに香りづけだけ。

パスタ茹で始めてからフライパンにバターと生クリーム入れて、揺すって均一にして。パスタ入れる直前に擦ったレモンの皮を入れて。

バターは生クリームの油脂分分離させたものだから、親子の邂逅?でしょうかwww。

仕上げ

タリアテッレのアメリケーヌ

 パスタはいつものように海水くらいに海塩入れた湯で茹でて、湯切りしてから茹で汁少々と一緒に温めておいたソースにどっぽん。蝦さまの身も入れて馴染ませるように良くあえて、イタパセ刻んだのぱらっとさせて。

ピアチェンツァ風トルテッリ バタークリームソース 檸檬の香り

 あ〜、なんか名前だけだとどこぞのリストランテな感じ。えへへへへ。こちらも海塩入れた湯で茹でて、温めておいたソースに入れて、グラナパダーノぱらぱらと。ただ、これは煽るとソースが跳ねてえらいことになるんで、フライパン傾けてスプーンで回しかけるようにして馴染ませて。ラビオリとかトルテッリとか茹でると膨らんで、冷めると縮んでしわしわに。このへんもそっとどうにかしたいんですが。。。お皿に盛ってから檸檬の皮すりすりしたのぱらっとして、薄切りも添えて。

麦の穂、というより痩せた魚みたいな(泣)
お好みで檸檬潰して和えても。思っていたより酸味が加わってもいい感じでした。
付け合わせはお勤め品になってたアスパラ。皮を引いてからグリル@直火で焼いて、
オリーブオイルたら〜っとして塩胡椒。

で、今日のお料理、星いくついただけますでしょうか?
”星三つね。どっちも美味しい”
いただきました!星三つです!!!って続くと逆に怖くなったりして(笑)。
檸檬の香りで爽やかさましましになって、リコッタの重くないコクに法蓮草のアクセントが入ったリピエノとの相性も良い感じで。作るのそんなに手間でないので、これはいいかも、です。

今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
明日からも素敵でありますように。
一刻でも早く平穏な世界に戻ることを祈りつつ。

色づき始めた紫陽花。まだ萌葱を残した彩りが好きです。



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