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焼いた秋茄子入りのボロネーゼ

 秋来ぬと 目にはさやかに見えなねども 風の音にぞおどろかれぬる
気がついたら秋の気配。昼間でも時々長袖が恋しくなるような風が吹くようになりましたね。

季節は変われども変わらないのが私の作るもの。パスタの道を極めるには遠く長い道のりを一歩づつ、って見てる方は秋ちゃいますね、秋ですが秋ちゃいまんねん飽きでんねん、なんてボケてる場合ではないのですが。

いろいろと忙殺されていたら季節は秋、空気が乾燥してきたことを粉から感じません?って私だけかしらん。湿度が下がると小麦粉の水分量も下がるのかなって調べてみたら1%ぐらいは上下するみたい、ってあんまり影響なさそうな。ということは小麦粉の吸湿より、捏ねてる時の乾燥の方が効くのかも。これはもそっと調べてみます。。。って、ほとんどの人にはどーでもいいことですね。
パスタの加水率(卵の場合)、夏場は48%くらいにしないとベタついてしまうんですが、今は50%くらいがちょうど良い感じで、暖房かけ始めると55%でもべたつかなかったり。意外に繊細なんですが、イタリアのマンマとか見てるともっと大胆不敵にやってるから、まだまだ修行が足りないのかも(泣)。

あまり代わり映えはしないので、常連の方とか見飽きてるかもですので、さらっとご覧になれるようちょっと見栄えを変えてみました。と、時々いらっしゃるお初の方向けにレシピなども、って誰も作らないかもですが一応。

今日は、いつものPATA流の、トマトポタージュにお肉が入ったようなボロネーゼに、嫁に食わすなとも言われる秋茄子を焼いて加えたものでございます。

パスタ生地

まとめる→捏ねる→30分以上休ませる、を3回繰り返して。数えてみたら、一回の捏ねで100回くらい畳んで伸ばしてを繰り返してました。むにゅっと指で押しても、なにするんじゃ〜、とぽよんともどってくるくらいまで。う〜、背筋も腕も鍛えられます。目指せ鉄腕、なんて(笑)。


ボロネーゼ.002

ソースが強めなので、少し厚め、幅広のタリアテッレに切って。幅が広いので長さは20cmくらいの短めにしてます。和えにくいのと食べにくくなるんで。お初の方むけに、平麺の名前、幅の広い方からパッパルデッレ>タリアテッレ>フェットチーネと呼ぶとか。もっとも作ってる地方が違うので逆転することもありますが。

ボロネーゼ.003

ボロネーゼ

まずは野菜たちをみじん切りにして、オリーブオイルでくちゅくちゅとしっかり水気を飛ばして、軽く狐色になるくらいまで。焼くというより少量のオリーブオイルで煮ている感じです。

ボロネーゼ.004

そのままだと野趣あふれる感じ、ブレンダーをかけると滑らかになって、野菜の美味しさが全部味わえる感じに。最近はブレンダーでぎゅい〜んとすることが多くなってます。

ボロネーゼ.005

茄子とズッキーニを焼いて。しっかり水分を飛ばしてからソースを吸わせると、野菜の美味しさはそのままに、ソースを吸った味わい深い感じになります。

ボロネーゼ.006

お肉を焼く。焦げ目が付くまであまり触らないで、というのが落合シェフの教え。旨みが出てしまうそうでございます。

ボロネーゼ.007

お肉とトマトソースと茄子たちの合体、三位一体。美味しさの神のご降臨でございます。少し煮て馴染ませたら、火を止めて蓋をして30分くらい馴染ませておきます。こうすると茄子が煮崩れず、旨みを吸ってくれます。

ボロネーゼ.008

パスタを海水くらいに海塩入れたお湯で茹でて、温めたソースに茹で汁少し加えて和えてできあがり。仕上げに擦ったグラナ・パダーノを乗せて。この作り方だと野菜のやさしい味が前面に出るので、パルミジャーノだと少し強い気がします。塩味も茹で汁の塩分だけで十分な感じ。お肉入りの濃厚な野菜ポタージュにシッコシコのパスタがからんだ感じ。イタリアの田舎町のグランマがコトコトと煮込んで作ったような鄙びた感じを目指してます。

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秋茄子は嫁に食わすな、というのに、美味しいから食わせるな、という意地悪な説と、茄子は体を冷やして良くないから(ほんとうかどうかは知りませんが)、という説とありますね。最近は秋でも暑いくらいだから、体を冷やすなんて気にせずに、秋茄子の美味しさをいただきましょう。

今日も最後までおつきあいいただきありがとうございます。
明日からも素敵でありますように。

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夜露に濡れる葉。雫の冷たさにも季節を感じます。

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