2024.4.13,14vs名古屋DD ディフェンスの変化

 先の土日に行われた名古屋ダービーマッチ。GAME1を98−87で落としたFEは、続くGAME2を67−84で勝利し、見事バウンスバックを果たしました。GAME1、2の失点差は31。この修正はどのようにして行われたのか。川辺HCのインタビューから紐解きます。

川辺HCのインタビュー

 川辺HCのインタビューが載っている記事はこちら。
(しかし、こうやってコーチや選手の声がメディアに載るってのは、本当にありがたいですねぇ)

 このインタビューから該当箇所を抜粋します。

昨日もドリブル、ハンドオフのところをできるだけチェイスすること、シューターのところはスイッチするチームルールで臨んだのですが、1Qで3本(ディフェンスで)アンダーして3Pシュートを打たれてしまいた。(ドルフィンズは)3Pチームであり、リバウンドチームであることはわかっていたので、そこは絶対にやらせたくなかった。

さらにゾーンディフェンスのローテーションミスからも3本決められてしまいました。そこもあらかじめスカウティングでわかっていたことなので、今日は絶対に同じことを繰り返したくないと考えていました。

そういう細かいところ、スカウティングに基づいたゲームプランを遂行するという部分において、今日は何も言うことがないくらい素晴らしかったです。

昨日から少し変わったところとしては、サイドピック&ロール、ミドルピック&ロールのディフェンス。ここに関しては対策というよりはエフォートしようと伝えました。ジャンプトゥザボールの意識を高く持ち、コミュニケーションを取りながら、どれだけ質の高いディフェンスを40分間遂行できるか。変えたというよりは、選手たちがそこの質をぐっと上げてくれました。その結果として、ピック&ロールを止めることができたと考えています。

愛B cafe

 このインタビューが言い表しているところを、動画を用いて紹介していきます。

GAME1

 まず、「ドリブル、ハンドオフのところをできるだけチェイスする」と言うのは、ピックアンドロール(以下PnR)やハンドオフの際、ボールを持つハンドラーが、スクリーンを使ってマークマンを剥がしにかかったとしても、そのハンドラーにできるだけついて行ってプレッシャーをかけよう、と言うことを表していると思われます。
 例えば以下のシーン(4:00〜)は、ハンドオフを受けたレイパークスへのプレッシャーが弱く、最終的にはコーナーのソアレスにほぼフリーで3ptを沈められてしまいます。

 また、「1Qで3本(ディフェンスで)アンダーして3Pシュートを打たれてしまった」の部分は、ハンドラーのマークマンがスクリーナーをかわす際、ハンドラーの3ptを防ぐためにハンドラー側から交わしたいところを、以下のように(1:15〜)ハンドラーから離れた場所を通ってしまった(=アンダー)ため、フリーに近い形で3ptを打たれてしまった、と言うことでしょう。(アンダーの解説はこちら)

 他にも、PnRをドロップで守ろうとしたためハンドラーの侵入を許してしまう場面も散見されました。以下のシーン(1:37〜)では、ハンドラーのドライブにビッグマンが対応せざるを得なくなり、結果相手のセンターにリバウンドを許してしまっています。

 この日初めは相手のPnRに対しドロップで対応していましたが、DDのハンドラー陣をだいぶ自由にしてしまい、シュートやドライブを安易に許してしまった、と言うのが大きな修正ポイントだったように思います。

GAME2

 これを受けて、「エフォートしよう」即ち頑張ろう、となったのがGAME2だったように思います。
 グッドディフェンスはなかなか動画に出ないのですが、こちら(1:45〜)がいい例かと思います。最終的には須田にミラクルショットを決められてしまいますが、佐土原→アーロン→ルークと須田を捕まえ続け、絶対に楽なシュートは打たせまいとしていた様子がよく分かるかと思います。

 また、公式のGOOD PLAYSで取り上げられたこのシーン(0:55〜)も、ハンドラーの斎藤を自由にさせまいとオマラがスイッチしたところから生まれています。

 動画はありませんが個人的に紹介したいのは、1Q1:22〜のシーンです。ここでは斎藤がピックをもらってドライブしようとするのを、スイッチにより再三止めて斎藤にタフショットを打たせ、佐土原の速攻に繋げています。


 川辺HCも手放しで賞賛したチームディフェンスですが、熱のこもった本当に素晴らしいものだったと思います。今日の試合も40分集中し続けたディフェンスが見られることを期待したいと思います。

この記事が参加している募集

スポーツ観戦記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?