父さん、ライトノベルで食っていこうと思うんだ

父さんなライトノベルで食っていこうと思うんだ。

ああ、そうだよな。みんなびっくりするよな。
実は父さんが会社に行く途中でちょっとずつ書いてた小説がな? 出版社から書籍化しないかって言われて色々考えたんだけどこれからは専業のライトノベル作家になろうと思うんだ。
実は昨日会社を辞めてきた

大丈夫だよ。
父さんの小説はブックマークが18000件もついてるし、コミカライズも決まってるんだ。
おっと、これは内緒だぞ? 
だからな、当分の間はそれで食っていけると思うんだ。コミカライズが始まる間に別の小説をランキングに載せれば書籍化するだろ?それなら専業で食っていけるって思ってな

小説家が不安定な仕事だってのは知ってるよ。
でも、父さん昔から憧れっていうのかな。ずっとクリエイター系の仕事をやってみたかったんだよ。でももう歳だしなぁ。YouTubeはいま無理だろう?Tiktokもよく分からん。 パソコンだってウチには良いのがないから、映像より小説が良いかなって思ったんだ。

それに作家のフォロワー? っていうのか。 とにかく、お気に入りの作家さんを登録する機能があるんだけどな。父さんはそれで300人にフォローされてるんだ。300人ってすごいだろ? お前の同級生の数より父さんをフォローしてる人が多い。だから早々小説がこけることも無いと思うんだよ。

やっぱり仕事をしてると小説にかけられる時間も少ないだろ? 良い作品を生み出すには時間をかけなきゃいけないと思うし、仕事をしながら小説を書くってのは読者にとっても会社にとっても失礼だと父さんは思うんだ。

だから昨日、退職届を出してきた。
今日から1ヶ月は有給だ!

何をそんなに心配してるんだ?
父さんはお前のおじいちゃんから相続した土地があるから大丈夫だぞ。

お前がよく行く駅前のラーメン屋があるだろ? 
あそこはうちの土地だしお母さんがよく行く美容院も、おじいちゃんが入ってる老人ホームも、ウチの土地だ。

だから相続税以外に心配することなんて無いんだよ。








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