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「デジタルの力を最大化」~ビジネスDXを担うために~

舟橋 大樹(ふなはし だいき)

2012年4月にサイバーエージェント広告事業本部へ新卒入社。インターネット広告運用を経て、AIを利用した広告作成の開発に携わる。
2021年からサイバーエージェントDXにて取締役を務める。サイバーエージェントDXは立ち上げ時から担当。


サイバーエージェントDXが目指す広告の在り方

サイバーエージェントDXは「デジタルの力で世の中を便利にする」をMissionに掲げています。最終的には日本企業のビジネスDXを担うことを目指していますが、今はまず「広告の在り方を変える」ために動いています。
WEB広告は鬱陶しいもの。そんなイメージがありますが、伝えたいものを持つ企業が伝えたい対象であるユーザーに、ユーザーが求めるタイミングで広告を提供することが出来ていれば、本来は広告は鬱陶しいものではなく便利なものになるはず。正しいターゲティングができているかどうかの指標のひとつがCTR・CVRなので、まずはここを突き詰めて効果を上げていく必要があります。
そのためにデータ・デジタルをより活用して、顧客体験の向上に努めています。弊社がアプリの開発やサイネージ導入を起点として、運用や広告枠のセールスまで一気通貫しての広告事業を展開しているのも、顧客と深く向き合うためです。

広告事業に注力している現在

先ほどの広告事業についての延長となりますが、デジタルの力を最大化することがサイバーエージェントDXの目標です。
ウォルマートのような先行事例があるように、海外ではリテールメディアの温度感が非常に高く、その理由にEC化率が高いということがあります。EC化率は単純に「あの国は進んでいてこの国は遅れている」というわけではなく、各国の環境に適した成長でもあるんですよね。
例えばアメリカは、日本のように家を出てすぐ目の前にコンビニはない。自宅と実店舗が遠いからこそECが飛躍的に伸びていくわけです。逆に自宅と実店舗の距離が近い日本では、「実店舗が便利」という概念が前提にあるんですよ。ここがサイバーエージェントDXがWEB広告に限らず、サイネージ(*1)などの広告を担っている理由でもあります。
「オンラインだから」「オフラインだから」と区切るのではなく、オンラインとオフラインを融合した広告の最適化を実現したい。購買行動の変化を追っていき、データの使い方・見せ方のプロとして、広告枠を提供する小売企業とそこに広告を出すメーカー企業の双方の売上を担保し、リテールメディアの効果を証明していくということはサイバーエージェントDXだからこそできること。今はまずは小売企業の広告事業を成功に導くために動いています。
そしてその成功を踏まえ、2026年以降はリテールメディア以外の領域にも進出する計画です。

(*1)デジタルサイネージ広告:店頭などでディスプレイを利用した動画広告配信。エリアや時間帯など条件を指定して配信できるため、消費者に対し高い訴求力を持ったアプローチが可能。

小売のオンオフ融合とは

通学や通勤で電車に乗るし帰り道に飲食店に寄ったり買い物をする。一方、移動中や自宅でYouTubeを見るし、ECサイトで欲しいものを探したり買ったりする。今の一例で言うと、その人へのタッチポイントは朝夕の電車内ビジョンだったり、お店のサイネージだったりYouTube面だったり、Google検索面だったり、ECサイト面だったりと、複数ありますよね。人はオフラインとオンラインの両方で生活しているので、ターゲットの生活を分析できていれば、それぞれ適したタイミングで広告を出すことができるようになっていきます。オンラインに関してはGoogleやMetaを筆頭に分析が進んでいて「誰に何をいつどこで」が最適化されている面もあるのですが、オンオフ融合を考える際、オフライン行動のデータの分析は欠かせないものになります。
オンライン行動・オフライン行動と購買データを掛け合わせて分析を続けていくと、より利便性の高い広告を用意できるようになります。買い替えタイミングにお得情報を届ける、よく買う商品は定期購買を促す、新商品をいち早くお届けするなど、1to1での最適なコミュニケーションを模索することができます。そういった取り組みの結果もすべて可視化されるので、結果を踏まえて更により良いアプローチに昇華させていく。続ければ続けるほどより良いデータとなり、より良いコミュニケーションが取れるようになっていきます。
更に小売に関して言うならば、そのインパクトの大きさも魅力的です。2021年の日本のBtoC市場のEC化率は8.08%なのでまだまだオフラインでの購買行動がメインです。デジタル広告に長年向き合ってきたこともあり、購買率を1%改善したときに伸びる売上の桁が違ったりするのは非常にやりがいを感じますし、世の中に与えるインパクトの大きさを感じさせられます。僕たちは世の中にインパクトを与える膨大な量のオンオフ融合データを取り扱っている。そしてそのデータを扱うプロでもある。データと向き合い続けてきたからこそ、ここには大きな自負があります。

サイバーエージェントDXの成長土台

以前代表の宮田のnote(*2)でも触れていますが、サイバーエージェントDXは「攻めのDX」を想定しています。
DXの一般的なイメージは「経費削減」「ペーパーレス」「業務効率化」などですが、「デジタルの力を活用して利益を上げる」ためのDXを指しています。そのために不可欠となるのがデータ分析に加えて、ユーザー体験の向上・販売促進。その手段として、例えば実店舗での商品の配置替えやサイネージの設置、アプリ内でのポイントやクーポンサービスなどがありますね。アプリなどはまさにですが、ユーザーにとって便利かどうかというのは使用頻度に大きく影響するので、計算して設計されたUI/UXはユーザー体験の向上の要因のひとつにもなります。
アプリ開発や広告枠の開発から運用までを担うというのは、サイバーエージェントグループが得意とするところで、サイバーエージェントDXが成長していくための土台となっていますし、一気通貫で案件を進めていけるということはサイバーエージェントDXの強みでもありますね。

(*2)「産業のデジタルシフトに貢献する」 代表取締役社長 宮田の創業の想い

サイバーエージェントDXの組織体制

弊社の強みを伸ばしていくためにも、2021年の立ち上げ以降から現在にいたるまで、積極的に採用を続けています。
2023年4月現在、約30名がサイバーエージェントDXに所属しています。
・パートナー企業と事業を進めるプロデュース職
・パートナーと開発した広告商品をメーカーへ紹介するセールス職
・広告データを活用・運用するコンサル職
これらを総称してプランナー職としています。
また、プランナー職以外にも、
・全てのデータを扱うことになるデータコンサルタント職
・開発を担当するエンジニア・デザイナー
・バックオフィス職
が在籍しており、一気通貫で案件を進めているので、各ポジションを跨いだコミュニケーションが重要です。
どういった形での広告事業展開をプロデュースしていくかを一緒に考えていけるメンバーを集めているし、今後も探していく予定です。