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コンサルティング申込前のKPIにメタファーが含まれる可能性と、KGIが明確になる過程についての一考察。

メタファーについて、知人と一緒に考えてみました。メンバーは、システム開発会社を経営されている方や、コーチングを提供されている方などの6名。個人的な気づきも多かったので共有させてください。

ハンス・ブルーメンベルク『真理のメタファーとしての光/コペルニクス的転回と宇宙における人間の位置づけ』(2023年、村井則夫訳、平凡社)について皆でディスカッションするためにzoomで集まりました。

本の内容では、光はいろいろなメタファーの元となっているよね、という話がとても面白かったです。例えばプラトンの有名な比喩でも、洞窟から抜け出して、広い世界に最初は目がくらみながらも目は慣れていき、より大きなコミュニティーに参加していく様子にも光のメタファーが使われています。 


ここで話題は、自分たちは、メタファーによって駆動されることが結構あるよね?という話になり、私はSNSのコンサルティングで起きたことを思い出しました。

ご依頼時には定量的な目標の共有を受け、その際に「〇〇さんのような人気アカウントになったら色々使えるなぁ」と仰っていました。このときのKPIは〇〇さんのリアクション数に基づいていましたし、振り返るとここで「〇〇さんのような」や「人気アカウント」というメタファーが設定されているという見方もできます。

1on1では、個別の進行具合に合わせて方法論や考え方をお伝えしながら進めていきます。私から定量的な見立てはつくものの、相手にとっては実際に動いてみないと定性面では見えない部分が大きいので、定性的な方向性の確認は3回目くらいに再度行うことにしています。このとき、あっさり「あ、それはもともと別に.. 」と当初のKPIは重要ではないんですと言われ驚きました。

正直はじめはどんな感じかよく分からなかったし、今のこの方向性がいいですな、と。改めて全く別の目標を一緒に設定することになりました。それにもかかわらず進行するうちに、結果的に当初の「○○さんのような」リアクション数になっていました。今は○○さんとも違う、ご自身の方法でビジネスと絡められていて、結局どちらも手に入れるという.. 本当にいつも尊敬している先輩経営者の方です。


実は以前にも一件似たようなことがあり、お二人とも50代前後の経営者の方で、SNSは以前からプライベートで利用していたという共通点があります。この方も事業のサービスサイトなどとは別で、自分のSNSは自分でコントロールしたいというお考えで、私もとても共感しご縁をいただきました。

この場合、進みながら「もっとこうしたい」などと、明確な方向が1on1の中で示されていきます。これまでのご経験と今後思い描いている事業展開などから、こんな風に使っていこうというイメージがあるのではないかと感じます。

依頼する段階での目標にはメタファーが含まれている可能性があり、もしもその場合には、1on1を進める中でメタファーに近づいていき、解像度が上がることで当初の目標+α の部分が明確になるということなのかなと思考を巡らせてみました。

まとめると、SNSに土地勘がある先輩経営者とKPIからスタートし、KGIが明確になり、それを達成するというプロセスをご一緒させて頂きました。普段仕事をしていると数字数字となるので、頭をやわらかく、これをメタファーの観点から抽象的に捉えなおしてみました。

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