【日々】もう旅に夢はみない|二〇二三年五月
二〇二三年五月二十九日
生活。ああ、そうだなとおもう。あわい色をした、輪郭の薄いくらしのスケッチ。そのなかで時折、四季の花々や、グリンピースや、にんじんが、ハッとする鮮やかさで散りばめられている。このひとのつづる暮らしは、淡々とうつくしい。そしてその底にはずっと、ちょろちょろと絶望や哀しみが流れている。そんな在り方に強く惹かれている。
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会社で健診を受けたら、背が二センチも縮み、おまけに不整脈だから病院へ行けと言われる。今にも死にそうなよぼよぼのおじいさん先生がふ