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アフガニスタン帰還民支援を開始しました|2024年3月

こんにちは🙂イガラシゴーです🐧
今回は、2024年3月に開始した急増するアフガニスタン帰還民(アフガニスタンに帰還したアフガニスタン人の難民)の支援について報告いたします。


「不法滞在」とされ、パキスタン政府から帰国を求められているアフガニスタン難民

長年にわたる紛争や政情不安が続くアフガニスタンの状況を受けて、多くの人々が国境を超えて難民として国外に逃れています。隣国のパキスタンもそうした行き場のないアフガニスタン難民の最大の受け入れ国の一つです。

しかし、難民として逃れた人々の中にはさまざまな理由により「難民」としての認定を受けられていない人も多く含まれています。2023年10月にパキスタン政府は「不法滞在外国人の送還計画」を発表しました。

アフガニスタンとパキスタンを含む周辺国の位置関係

これはパキスタンに住む約130万人の「不法滞在状態にある」アフガニスタン人を対象として、「出身国」であるアフガニスタンに2023年11月1日までに自発的に帰国することが求められ、発表後から多くのアフガニスタン人が国境に押し寄せている状況となっています。

パキスタン政府の方針発表前は、アフガニスタンに帰還する人の数は1日平均200人未満だったところ、11月上旬には1日平均2,500人を超えるまで10倍以上増加しました。国連機関の一つである国際移住機構(IOM)の統計によると、2023年9月15日〜2024年3月9日までの間に、アフガニスタンに帰還した人びとの累計は540,700人に上っています。

アフガニスタンに到着し支援の受け取りを待つ家族  ©️IOM/Mohammad Osman Azizi

安心して帰れる故郷はどこにある?

今回のパキスタン政府の方針発表の影響を受けてアフガニスタンに「帰還」した人々の多くは、アフガニスタンの状況が改善したから帰国したのではなく、避難先であるパキスタンの状況が悪化したため、帰還せざるをえなくなり、あわてて移動してきました。

「帰還民」というと平和になった故郷や自宅に帰るイメージを持つ方もいるかもしれませんが、残念ながら現在のアフガニスタンの政治経済の状況はまだまだ厳しいままです。また、今回の帰還民のうち64%は18歳未満の未成年者となっており、数十年の長期にわたるアフガニスタンの状況に鑑みると、小さい頃に難民としてアフガニスタンを離れた人や避難先の国で生まれた人も多くいると考えられます。こうした帰還民にとっては、祖国であるアフガニスタンに「帰還」できても帰る場所がない人もいます。帰還民の16%が「出身地」とされる地域に帰らない(帰れない)と回答しています。

CWS Japanはそうした行き場のない帰還民や、帰還しても生活の立て直しが難しい脆弱な立場にある150世帯(約1,150人)に対して、当座の食料を確保するための現金を3ヶ月間にわたり給付する予定です。

今回の支援はジャパン・プラットフォームの助成金を活用して実施します。状況の推移を注視し、必要に応じて支援を継続・拡大することも検討してまいります。

(文:プログラム・マネージャー 五十嵐豪)

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