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短歌まとめ_3

もうすぐ今年も終わり。
短歌にまみれたすばらしい1年でした。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

以下、最近の採用歌をまとめました。

1.新聞歌壇

東京歌壇 東直子選 入選 2020.11.22

寒いなと寒さをじっとたしかめる時間をいとしく思うバス待ち

東京歌壇 東直子選 入選 2020.11.29

シニア用おむつを抱えバスに乗るその頬にうすい紅は宿って

読売歌壇 俵万智選 特選一席 2020.12.01

遠ざかるパトカーみたく母親に抱かれて外へ向かう2歳児

毎日歌壇 加藤治郎選 入選 2020.12.07

レンチンで手に入らない愛をくれたとえば不格好なにんじんを

東京歌壇 東直子選 入選 2020.12.13

右足を出すタイミングはバラバラで笑けてにじむ父との道は


2.月刊うたらば

テーマ「茶」

端っこで烏龍茶をちびちび飲めば透明になれる飲み会の夜

テーマ「二」

ペアになれなかった奴がペアになれなさそうなぼくに近づいてくる


3.フリーペーパーうたらば vol.28【冒険】

ひと粒のキャラメルなめて休もうかリュックサックを枕にしてさ


4.番外編

クリスマスのカウントダウン企画「表現者たちによるアドベントカレンダー2020」に参加させていただきました。クリスマスについてあれこれ考えながらたのしく詠んだ連作です。

小さな夜   木村槿

残業の灯りのなかのぼくたちは聖夜の街の一部となった

寒ければ寒いほどいい夜空から透明な鈴の音が響いてて

ひいらぎの輪郭をたどるようにして夜空をひらくトナカイの角

トナカイの混雑注意報が出る子どもは早くねむりましょうね

駅前の信号機さえ浮かれてて聖夜の色に染まったケーキ

人々を照らしつづけるクリスマスツリーの由来はだれも知らない

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