声をあげないと、助け船がこない

なぜか今日一日ずっと頭の中をぐるぐる周り続ける言葉がある。
「声をあげないと、助け船がこないんです」

これは以前(約2年前)、僕たちがその気質と生き方について取材を受けた際に千鶴さんが言った言葉だ。

※この記事のウェブサイトが2022年いっぱいで閉鎖になってしまいます。自分たちの事をとてもわかりやすくまとめてもらってる良い記事ですので、閲覧できる間に是非ご一読ください◎

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こうして考えると、現在も2年前と状況は大して変わっていないのだなと、改めて実感する。
状況が変わらないというか、抱えている悩みが2年前のまんまである事に気づいた。

最近感じているのは、2人だけでは考える事や行動する事に限界があること。
僕は割と普通に、サラリーマンをやれてはいるし、生きづらさに悩む事は無いのだけれど、千鶴さんの働き方については未だ明確な答えが出ないままである。

人が大好きなのに、人との上手な関わり方が苦手だったり、

芸術的な才能や、誰も思い付かないようなアイデア、時代の先読みは得意なのに、なかなか活かせる場所がなかったり。

以前も書いたが、健常と障害、その狭間でゆらぐボーダーの彼女は自分の居場所をなかなか感じられないでいる。

僕自身も完全に彼女の事を理解しているわけではなくて、日々発見だったり、「あ、そういうことなのね」と知る事が沢山ある。忘れるので少しここにメモとして残す。


・単純な作業ができないわけではない。軽作業でも、それに付随する人間関係、手続きややり取り等に不安があって、作業自体よりもそちらに気持ちとエネルギーをもっていかれてしまう。

・理想とする働き方のイメージは家族経営の仕事みたいな感じ。何屋さんでもいいんだけど、ある程度融通が利く働き方。

うちは実家が自営業なのですごくわかるんだけど、例えば旅館業とかで、(実家は旅館ですw)コミュニケーションが苦手な人は料理とかの手伝いだけしてるとか。お客さんの前には出なくていいし、苦手だったら電話も出なくていい。

あれ、普通仕事って役割持ってやるもんだから、案外どこでも一緒じゃない?
と思う方もいるかもしれませんが、そこは家族という前提なので、そもそもいろんな説明が不用である事がすごく大きい。
どこまでならできるかとか、気を使って無理ですと言えないとか、いろんな下準備をサッパリ省いて、安心した環境の中で、自分のできる事に真っ直ぐ向き合える。

そう考えると仕事を探すよりも理解者を探す方が近道なのかも。
とにかくこんな事でも、声をあげること。

声をあげないと助け船がこない。

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会社の近くに高速の入り口があるから、よくヒッチハイカーを見かける。
「名古屋!」とかボードを出して、指を立てている姿を見るけど、
あれがもし、ただ訴えかけるような目だけ車道に向けて、何のアクションも、ボードもなかったら車はいつまで経っても止まらないだろう。

僕は、私はこうしたい!ここに行きたい!と声をあげ、意思表示をして初めて、誰かが助け船を出してくれる。

声を上げる事もエネルギーがいる。
「誰も振り向いてくれなかったらどうしよう」そんな不安とのたたかい。

だけど声をあげなければ、誰も助けてほしいなんて事には気がつかないのだ。

改めて声を、もっとあげていこうと思った。

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