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映画監督である僕が、 縁もゆかりもなかった地方で滞在拠点作りを始めた話

話を聞いたオーナー

Little Okawood(福岡県大川市)

完山さん
1978年生まれ。映画監督として制作、脚本など国内外の様々な映画祭で受賞経験を持つ一方で、地域企業連合会の理事や大川市地域おこし協力隊の経験も持つ。 大川市のコワーキングスペース・ゲストハウス「Little Okawood」オーナー。 ラーメンライターの活動も行っている。

インタビュアー

紺谷弥生
2018年にクラウドワークス(circle運営会社)に入社後、フリーランスのお仕事エージェントサービス「クラウドテック」のキャリアアドバイザー、セールス、マーケティング業務に従事。20代~70代の累計約4,300人の方とキャリア面談を行い、「働き方」「生き方」のサポートを行う。事業企画・開発、商材開発、子会社の吸収合併業務等を経て、1人1人に居場所・サードプレイスを届けることを目的としたco-livingサービス「circle」を自ら立ち上げる。


紺谷:完山さんは、元々福岡ご出身、大川市ご出身だったんですか?

完山(以下敬称略):いいえ、全然違うんですよ(笑)出身自体は特にゆかりはなく、関西出身です。
僕は実は映画監督なんですよ。
ずっと映像の仕事をしてきていて、短編映画を撮る際に初めて大川市に撮影の現地視察のような形で来たんですね。そして、大川市を舞台に映画を撮ることになり、撮影を続けていて市の人の話を聞いていた時に、町に対する愛情、「町を良くしていきたい」という地域の人の想いを感じまして。大川市にもっと貢献出来たらいいな、と思いました。最初は撮影で1週間くらいの滞在だったんですが、少しずつ「良いな」と思うようになっていきました。

紺谷:クラウドワークスで今まで色んなお仕事・活動をされているユニークで素敵な方と出会ってきましたが、映画監督をやられている方とお話ししたのは初めてです!(笑)

完山:そうなんです。当時2月頃に映画を撮影していたんですが、翌年の4月くらいに大川市の地域おこし協力隊の募集を見つけて、ふと応募をしてみたんです。
大川市で撮影した映画の上映会をすることも決まっていたので、移住していたら面白いんじゃないの!?と自分を面白がる心もありまして(笑)
その半年後に地域おこし協力隊で市の職員として大川市に来ることにしました。映像の仕事も続けていたので、並行して動いていました。でもその時はまだ、ずっと住もうと決めていたわけではありませんでした。

当時撮影した映画

紺谷:「この町良いな、良くしていきたいな」と思ってからの完山さんの行動速度が速すぎて驚愕しています(笑)
その後の辺りが、今回滞在拠点として連携いただくLittle Okawoodの開業のきっかけにも繋がってくるんでしょうか。

完山:大川市で地域おこし協力隊の仕事をすることになり、最初は普通に自分で部屋を借りていたんですが、たまたま地元の方に「見に行ったけど自分は買わなかった空き家があるよ」という話を教えて頂いて紹介してもらったんです。それが今回の拠点の場所です。当時その際に他にもこの空き家を買いたい人がいたみたいで、金曜日に聞いて月曜日にはすぐ買ってしまいました(笑)
購入直後は空き家の状態ですぐに使える状態ではなかったのですが、考えた末、「自分の大川生活拠点兼ゲストハウスとして地域の方や外から来た人が集まって混じりあうような場にしよう」と決めました。クラウドファンディングでお金を集めつつ、自分でDIYをしていくことにしました。
DIYは自分でもやりましたが、地域の人がボランティアで沢山手伝ってくれたんですよ。

紺谷:まさに、地域の人と「一緒に創った」滞在拠点なんですね。

完山:はい。1階はコワーキングスペースとしての利用もできるようにしているんですが、地域の学生さんが勉強しに来たり、地元の若者が作業場所として使いに来てくれたりしています。

1Fのコワーキングスペース

僕に会いに来るような人もいるし。家具の会社が多い地域なので、出張で来た人がふらっと使いに来ることもあります。
また、こうやって始めた経緯を知ってゲストハウスをやりたいという人が来てくれたり、町で空き家の活用を検討している人が相談しに来ることもありますよ。
ちなみに、来ていただければ「これのことか!」と分かると思うのですが、1階のコワーキングスペースの内装は全部地元大川市の木材を使っています。机など家具も大川のものです。

紺谷:映画監督である完山さんが全く縁もゆかりもなかった地域で滞在場所を開業するに至ったお話、とてもユニークでもっとお聞きしたくなりそうです。
映画のこと、映画監督というお仕事のこと、地域のこと、移住のこと、こういった地域でゲストハウスを始めた時のこと。ここに来れば完山さんと色んなお話が出来そうで、色々と考える機会になりそうですね。
他に、完山さんの方から地域や滞在拠点について、お勧めしておきたいことはありますか?

完山:大川市自体が古くから家具の街、インテリアの街と言われています。インテリアデザインが好きな人は素敵な出会いがあるかもしれませんね。
職人の街、伝統工芸の街でもあるので、 日本の伝統技術が好きな人も素敵な出会いがあるかもしれません。
距離的には佐賀空港から車で20分の距離で、引いてみると九州の中央付近にあり、佐賀・熊本・長崎・大分へのアクセスの中継点なんですよね。なので九州を周るつもりの方が基点として滞在してくださることも多いですよ。
サウナーが注目する佐賀県との県境にも位置しているので、良いサウナ場も近隣にあります(笑)

近隣のサウナ施設

僕自身も映画の仕事を今も勿論やっておりますので、関西・関東と仕事で行き来したり、多拠点的に生活をしています。
観光地でもない昔バブルだった街のディープな今だったりとか、リゾート感は無いけれども質素な片田舎の雰囲気とかが、大川市に滞在していると感じられるのではないかな、と思います。
仕事してサウナ行って整う生活をしばらくしたい人もぜひ!(笑)
新たな場に来て滞在してみてください。


Little Okawood(福岡県大川市)