「出世することを完全にあきらめる」ことで世界が広く見えるようになった話
「出世することを完全にあきらめよう!」
「あきらめる」なんて言うと聞こえはいいのですが、50歳を過ぎて数年たってしまった私には、もう年齢的に「役職」が付くリミットが過ぎてしまっただけのことなのですが。。。
消えてしまった最後のチャンス
それは突然のことでした。
それまでウチの会社では、50歳を過ぎても普通に「課長」や「部長」になれたのです。
現に部長からも
「君の部署に課長の空きポジションがもうすぐできるから、次は君に課長を任せたいと思っている」
とまで言われ、
「次はいよいよ自分の番かな?」
なんて思っていた矢先に、会社の役職定年に関するルールが改正され、
50歳を過ぎてしまうと「課長」や「部長」になるチャンスがほとんどなくなってしまったのです。
そうなるまではやっぱり、どこか自分でも「課長」「部長」という肩書きに憧れて、役職は無いながらもそれなりに昇級することもできて
「いよいよ自分にもチャンスが回ってきた!」
と思った矢先に、年齢的なハードルで完全にその可能性は閉ざされてしまったのです。そう完全に。。。
悶々とした想い
色々と考えました。
平社員のまま自分のサラリーマン人生は終わってしまうのか?
なぜか真っ暗な気持ちになりました。
仕事を頑張る気持ちにもなれません。
子どもたちは無邪気に
「パパは会社では偉いの?」
なんて聞いてくるのですが
「平社員だよ。このままず~~っと」
なんて、とても恥ずかしくて言えない自分がいたのです。。。
私は40代後半にして、遅めの子どもを授かったので、孫みたいに年の離れた自分の子どもが可愛くて仕方ありません。
その子のためにも、その子がせめて20歳になるまでは現役で働き続けたい。。。
なので、50代になってしまったのですが、まだまだ「課長」や「部長」など、できる限り高いポジションまで昇り詰めていたかったのです。
てもそれもみな全て幻想となって終わりを迎えてしまいました。
年下の上司
次の週から、自分より若い40代後半の後輩が「課長」になりました。
彼が新人のころから私もよく知っている「年下の上司」です。
表向きには協力的に仕事をこなしたのですが、内心では悔しくて仕方なくて
「そのポジションは自分が座るはずだったのに。。。」
情けないことに、そんな嫉妬心を年下の上司に抱いてしまったのです。。。
「諸行無常」
世の中は常に移り変わり、永遠なんてものはありません。
ましてや「自分が座るはずのポジション」なんてものが永遠に保障されているわけでもなく、
「課長」や「部長」のポジションだって、仮に座ったとしてもいつかは必ずなくなってしまうものです。
「なくなってしまうものに執着するのは無意味」
ブッダの考えはクールで現実的なので、今の自分には身にしみる言葉です。
こうして私は「出世」という呪縛に縛れていた人生から、脱却することに決めたのです。
出世を完全にあきらめてから変わったこと
ひとたび「出世をあきらめて」しまえば、それはもう本当にトゲが抜けたように気が楽になりました。
それまでの自分は、
「あいつよりも評価されたい」
「あいつよりも上に立ちたい」
など、常に他の人のことを気にして、上司の評価を気にして、少しでも他の人よりも優位なポジションに立つことを気にして、そんなことばかりに夢中になっていたのですが、
「出世することを完全にあきらめる」
ことで、そんな無駄な行動が、全くと言っていいほどなくなり、まさに、いい意味で開き直ることができたのです。
ただ一方で、そんなにいいことばかりでもなく、現実問題として
「出世をあきらめる」=「もうこれ以上給料が上がらない」
ということなので、小さい子どもを抱えている自分としては、この現実は切実な問題でした。。。
どうやってこの上がらない給料を補えばいいのだろうか?
「そうだ!副業をすればいいんだ!」
追い風として、私の会社でも正式に「副業が解禁」となっていたのです。
「だったら副業で稼げばいいじゃん!」
そう思ったら少し気が楽になりました。
甘くはなかった自分の力だけで稼ぐということ
でもいざ「副業でかせぐ」と言っても。これまでず~~っと、1つの会社の中だけでしか生きてこなかった私にとって
何から始めればいいのか全く分からない
状態でした。
そんな中でも目を引いて気になったのはブログアフィリエイトです。
いまさらアフィリエイト!なんて思う人もいるかもしれませんが、確かにSEOも年々厳しくなっていて、アフィリエイトで稼ぎづらくなっているということは、色々と調べているうちに分かっていたことなのですが
それでも初期投資がほとんどかからず始められること
は私にっては大きな魅力です。
ましてや、私の取り急ぎの目標は「月に5万円」ぐらいに設定していたので、ぶっちゃけ何とかなると思っていたのですが。。。
甘かった。。。全くもって甘かった。。。
これまで私は、数多くある会社の中の、ある一つの会社の中の、ある一つの部門の中の、ある一つの部署の中の、ある一つの担当領域においては「プロフェッショナル」だったのですが、限られた領域の中でしか何一つできない
まさに「井の中の蛙」でした。。。
井の中の蛙であることに気づけたから視界が広がった
個人の力で稼ぐということは本当に難しいです。
個人の力で稼ぐといっても「自分らしさ」という個性が全くなかったので
・何を書いていいのかも全く分からない。
・記事を書こうにも全く手が動かない。
・当然アクセスも集まらなければ収益も上がらない。。。
こんな状態が続く日々。
これまで、会社という後ろ盾の中、限られた領域のプロフェッショナルとして自信満々だったのですが、全く外の世界を知らないまま、会社という狭い組織の中だけで、「出世」という名の欲にかられ、盲目的に生きてきた自分にとって、洗礼を受けたような気分でした。
それでも、歩みを止めることだけは止めようと決めました。
おかげで少しずつながらも、成長することができています。
会社以外の世界で稼ぐことを色々と考えていくうちに、新しい目標や夢もできました。
まさに
「出世を完全にあきらめたからこそ、井戸の外にある広い広い世界」
を身に染みて実感することができたのです。
あのとき仮にそのまま「課長」になっていたなら、決してこの広い景色に気づくことはできなかったでしょうし、新しい夢を持つこともできなかったと思います。
そう考えると「出世を完全にあきらめる」という決断も悪くはないな!と、今であれば負け惜しみでも何でもなく、そう思えるのです。
そしてもし、今度また子どもに
「パパは会社では偉いの?」
って聞かれたとしたなら、今度は胸を張ってこう答えようと思います。
「パパは全然偉くはないけれど、夢を持って頑張っているんだよ!」
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