ビジネスの食い物;エコとノンカロリー
企業が免罪符や偽善を消費者に与えて、消費者はそれを消費し、問題を解決した気になる。そしてその結果、何の問題も解決されない。
そういうサイクルがある。
世の中には様々な問題があって、それぞれの立場でどうにかしようとしている人たちがいる。
でもうまくいかないこともある。
その責任は、メーカー側にも消費者側にもある。
スーパーでのビニール袋が有料になると、もっと環境負荷の高いエコバッグが売れるようになった。
ここでの問題は、エコバッグが機能性を全うするように消費されるのならよいが、機能性よりファッション性が重視されるようになってしうことだ。
その中では、他人に見せるために、複数の色のエコバッグを持つようになるし、飽きたり少し汚れたりするとまだ使えるのにも限らず、捨てられる。
環境を守ろう、そのために少しでもエコなものを使う、というのは素晴らしい選択だ。でも本当に守ろうと思うのならやるべきことは何だろうか。
植物性だから、リサイクルされたものだから、オーガニックだから「マシ」だけど、それだけでよいわけではないだろう。
本質的なことは、消費を下げること以外にないと考える。
富める国々が少しでも節制すること、適切にごみを処理することだ。
現在世の中に出ているソリューションを利用することは、消費者の思考停止を招く。「環境にちょっといいモノを買っているから、今まで通りでいい。環境によいからむしろ多く買ってもいい」なんてことにつながる。
企業は、本質的に環境によいかではなく、売れるか、競合に勝てるかを指標に活動をしてしまう。その結果、環境は目的でなく、金儲けの手段になってしまう。
こうして、消費者はビジネスの食い物となる。
もちろん、そのようなソリューションで、だんだんと意識を変えることには役立つ。急速で大幅な変更は、意識の面はもちろん、既存の生活を保てなくなるから、まず受け入れられず失敗する。
だからこそ、今一度消費者・企業両方が長期的ビジョンに立って考え、行動を変える必要がある。
ノンカロリーも同じようなものだろう。
ノンカロリーであればたくさん飲み食いしてもいい。見直すべきはそれらへの中毒で、それ以外の選択肢もたくさんあるのに、ノンカロリー商品という免罪符があるから、本質的な解決から遠ざかる。
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