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儚く眩しい 孤独な星 東京パフォーマンスドール「MY UNIVERSE」

曲としてはかなり短い。3分で終わってしまう。歌詞を見ても、「これだけ?」と思うくらい短い。
東京パフォーマンスドール(TPD)の真骨頂はノンストップライブであるから、2番歌唱がカットされることが通例となっているが、この曲に関してはそんなことがない。そもそも2番が無いが。

通しても3分もかからない短さゆえ、いつもフル尺である。冗長さがそぎ落とされている。
まさに、TPDのライブスタイルとドンピシャで合っている曲、ライブに特化したような曲だといえるだろう。

TPDが新生TPDとして2017年にリリースした1stアルバム「We Are TPD」。これに収録されている一曲が、表題の「MY UNIVERSE」である。
すべて大文字で表されているタイトルは、一人一人を文字に見立て、それぞれが自立していることを示しているようにも思う。

昔のものだがライブ動画もある。

闇夜を思わせる雰囲気からこの曲は始まる。

一人きり 彷徨い続けていた 広がる夜の街 見つめてた
夢なんて消えるマボロシ 誰にも満たされない

一人で雑踏を行く寂しさが伝わってくるようである。夜の闇に吸い込まれていくような孤独を感じる。

ABメロはこんな雰囲気であるが、サビでは一転する。
以下に示すここの歌詞では、自分が星の一つとなり、深遠な宇宙にいるかのような壮大さを感じる。

I can Feel My Star Light 動き出すんだ
身体が弾ける瞬間に(Star Light) 見つけた(Like Universe)

さらにサビでは、拳を前に突き出し、必死に問いかけながら歌う。

聞こえてるかい? キミに叫ぶ
Future For me 時の彼方へ

ここでの「キミ」というのは、他でもない自分自身を指しているのだと解釈している。
メンバーが頭を抱えるような仕草で、叫ぶように歌うサビのこのパート。非常に聴きごたえがある。

そして、最後には「強くなりたい」「輝く先へ」と未来の自分に向かって決意表明のように叫ぶ。

この「MY UNIVERSE」では、歌唱担当とダンス担当のメンバーがはっきりと分けられてる。これはTPDでは珍しい。メンバー6人となった現体制では4人がボーカルパートを担当している。この4人もダンスはしないわけではないのだが、やはりボーカルへの比重のほうが高い。

ダンス担当の橘二葉さんと櫻井紗季さんが後ろで色を添える中、4人のボーカルが送り出すこれらのメッセージは、強い響きをもってこちらに聴こえてくる。
歌に専念しているからこそなせるパフォーマンスだろう。

今月行われたオンラインライブでこの曲は披露されていた。個人的にはかなり久しぶりに聞いたような気がしたのだが、この曲の良さを再認識したような形である。

オンラインライブではさらに、Bメロのパート(夢なんて消える~)での浜崎香帆さんのハモりをより強く感じた。CDの音源も、これまで僕が観てきたライブを通しても、ここまで強調して聴こえたのは初めてだった。

この曲はライブで何回と知れず披露されてはいるが、このオンラインライブを観るまでは意外とこれらの点を見逃してしまっていた。ライブの後半でかかることが多いように思うので、その前後の勢いの良い曲との流れの中で、そこまで注視していなかったからなのかもしれない。

かなり前のインタビューにおいて浜崎さんも言っていたが、フリコピや曲に合わせて口パクするも良いが、この曲に関しては、身を任せてじっくりとその世界観を楽しむのもアリかもしれない。オンラインライブを通して新たな見方に気づいた曲であった。

見出し画像出典:Amazon


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