わるいユメ
「散歩の記録」
病弱でいつも入退院を繰り返し腹を抱え苦しんでいたオカンは
何かを怖がっていた。
いつも酒で酔いつぶれ、言葉でなじり、拳で殴りつけるオヤジ。
イヤでイヤで、オレは布団のなかで、たじろいでいた。
多分、隣のアニキも悲しんでいただろう。
そんな、
オヤジの酒のない顔があるとき、ホンの少し嬉しかった。
ホンの少し。
ホンの少し。
そう、次の日、また、酒が顔を変えるから。
ふるさとを捨て、ふるさとを失った、二人の親に育てられたオレは、
よく「橋の袂で拾てこられた」と云われた。
嘘だろうけど、俺は悲しく、切なく、やりきれなかった。
だから、今、吐き出した。
アンときは、どうしていいか解らなかった。
何か、真っ黒で巨大なモノに追われ逃げ惑う夢をよく見た。
アメーバみたいな何かに巻き込まれ、引き摺り込まれ、
押しつぶされ、びくんとカラダが弾けていた。
イヤな思い出がまた、
いまひとつ思い出してしまった。
るるるる、るるるる、
ふふふふ、ふふふふっ。
オレも歳かな、今、六十ウン才。
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