患者さんの治療に欠かせない「環境整備」とは
看護の基礎として提唱される「環境整備」とは、入院する患者さんの病室の環境を整えることを指します。「近代看護師の母」とも呼ばれる、かの有名なフローレンス・ナイチンゲールも、新鮮な空気や明るい太陽の光を取り込んだり、適切な温度や清潔さ、そして静かに休むことのできる環境を保つことは、看護を行ううえでとても重要だと述べていました。
自分で身の回りのことができる患者さんであれば自身で環境整備ができますが、身体介助が必要であったり、寝たきりの状態の患者さん場合は、自分で整備することができません。病室は、患者さんにとって治療するため場所であるだけではなく、生活する場所でもあります。ただでさえ、闘病していて不自由を感じているのに、環境にも不快要素があるとしたら、それは大きなストレスになってしまいます。ストレスは治療の妨げになるものであり、結果的に回復に時間がかかるような事態を招くこともあり得ます。
患者さんに対し、いつでも安心して快適に過ごせる環境を提供することは、看護師の大切な職務だといえます。「空気」「明るさ」「音」「臭い」を快適な状態に保ち、余計なストレスから患者さんを守ることも、治療の一環なのです。
また、看護師自身が環境整備を行うことにも意味があります。いつも側でケアをしてくれる看護師が環境を整備することは、患者さんの安心につながります。こまめに部屋の手入れをしてくれる看護師の存在はありがたいものであり、信頼関係が深まるきっかけにもなるでしょう。
※環境整備の知識を深めたい方へ・・・http://nurse-basics.com