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象が平原に還る日

そしてその時、象は平原に還り僕はより美しい言葉で世界を語り始めるだろう。

村上春樹 「風の歌を聴け」より


いつものことですが、やる気が出ません。でもまあ「やる気が出ない」というのは、普段から「やる気」のある人が言える言葉で、ダラダラ〜っと生きている人間(ま、私ですが)はあまりそういう事は言ってはいけない様な気もします。

とにかく、鬱期でもない(と思いますが)のに本が読めなかったり色々と困っています。基本、インドア派なのでどうしても家に篭りがちです。仕事は行ってますが、ある日突然「仕事に行かないといけないのに起きられない!」という恐怖・プレッシャーと毎日戦っています。

なにかとストレスを溜め込みがちな性格なので(溜め込みがちな仕事なので)、時々ガス抜きといいますか、まぁストレス発散が必要になるのです。隠れ趣味に(思いっ切り公開してますが)ひとりカラオケがありますが、これも私が面倒くさい性格のせいか毎回スッキリするわけでもないのです。狭い密室(カラオケ業界の方スミマセン)でふと「え?1人でなにしてんの?」とマイクを持ったまま奈落の底へ行くように落ち込んでいくことがあります。

声を出すってのは良いことだと思います。それで誤解・トラブルを招いてしまう事は多々ありますが、やはり誰か相手に何かを伝えたい時、自分自身が辛い時、苦しい時など「言わなければ」なにも動きませんし、始まりませんから。

それでも多くの人は(特に現代人は)自分の気持ちを率直に口に出すのを躊躇いますし、私もそうですが「思っていること」の半分も口から言えずに「ああ、言わなきゃよかったな」っていう無力感・虚しさ・後悔などに襲われることが多いです。

でも、それが人間だと思いますし、さっき言ってた事と矛盾するかもしれませんが「なんでも口にすれば良い」と言うわけでもないとおもいます。

「なんでも語れる明るい家庭」的の標語のような物が、学校の近くで看板になって、よく見かける気しますがアレ、どうなんですかね?私、「家族だろうと恋人だろうとプライベートは必要だ」派なので、必要以上に(悪意はないにせよ)ズケズケとヒトの中に入ってくる人には申し訳ないですが、警戒し距離を置きます。ま、私のことはいいのですが、SNSだ、個人情報の保護だ、と色々五月蝿い(失礼)世間なのに変なところで(奇妙な)価値観を持ち込むのはやめて欲しいです。

某国民的ファミリーアニメもいつまでやってるんですかね?もう「あれが日本の家庭のあるべき姿だ」っていう時代はとっくに終わったと思うのですが…。

話を戻します。

声に出さなければ何事も伝わらない世の中ですが、「声に出せない」のも世の中に多く見られる現状です。「声」ではありませんがSNS で迂闊な発言をして「炎上」したら堪りませんからね。人は大体、職場や学校に所属していますから「誹謗中傷」は避けられませんし。

大声はおろか普通の声ですら出せない、出しにくい世の中ですから、どうしても内に篭りがちです。結果、またSNS で心無い投稿が飛び交うわけです。そして、場合によっては酷い結果を残してしまうのではないでしょうか?

そして、「声を出せず、SNS も頼れず」どんどん言いたいことを言えず、吐き出せずいる「傷ついた人々」が今沢山いらっしゃるのだと思います。

そんな人たちのために何かできたらなあと思います(私も救って欲しいですが)。

今もどこかで、傷つき泣いている。けれど声を出せない多くの優しい人たちのために、何かできればと、最近考えています。

あの時、泣いていればよかったのに

と、苦い経験と記憶と共に思います。そうですね、あの時声をあげて大声で泣けばよかったんだ。喚いて 叫んで 怒鳴りまくって

大声で泣けばよかったんだ。

何故できなかったんだろう?その答えを探して、今日も生きていこうと思います。

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