第192回新沖縄放射線カンファレンス

2023年5月24日に第192回新沖縄放射線カンファレンス(以下、沖放)が琉大講義棟+オンラインにて開催されました。沖放は琉球大学病院を中心として県内の放射線科医が集まり、経験した教育的な症例や稀な症例を共有するカンファレンスです。今回は2つの症例報告があったのでここに共有します。

【PLANTY:Polymorphous low-grade neuroepithelial tumor of the young】
1例目は痙攣発作を契機に診断された20歳台男性のPLANTYの一例です。PLANTYはWHO脳腫瘍病理分類2021に新設されたPediatric-type diffuse low-grade gliomasのひとつです。若年者の側頭葉などに好発する石灰化を伴う腫瘍性病変で、てんかんや視野障害を来します。MRIではT2強調像で低信号と高信号が混在し、周囲に嚢胞を伴い、拡散制限に乏しいことが特徴的です。若年者の脳実質内に石灰化を伴う腫瘤性病変を認めた場合は鑑別のひとつとして考慮する必要があります。

【膵損傷】
2例目は外傷性膵損傷の一例です。稀ではありますが致死的な疾患で、日本では鈍的損傷によるものが多いです。造影CTで血管損傷や膵臓損傷部や断裂部、主膵管の損傷、その他の臓器損傷を評価します。受傷直後のCTで検出できない場合も多く、時間をおいてから造影CT再検が考慮されます。

大変貴重な症例を提示していただいた先生方、画像所見や鑑別診断を回答していただいた先生方、ありがとうございました。今後も沖縄県の画像診断の発展のため励んでまいりましょう。
文責:伊波

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