GWなのに。GWだから。
※記事の最後に追記があります。
GWも終盤に差し掛かった、ある日。
私は朝からちょっと急いでいた。
その日は「ザ・五月晴れ」とでも言いたくなるような快晴で、マンションのベランダから街のそこかしこにある新緑が、清々しい5月の風になびいているのが見えた。
昨日久しぶりに換気扇の掃除をして、ベランダで一晩乾かしておいたパーツを取り込もうと、ベランダに続くリビングのサッシを思いきり開けた。
太陽のぬくもりと共に、一気に外の空気が部屋に流れ込んでくる。
その空気の中にフレッシュな新緑の成分も混ざっている気がして、とても気持ちがいい。
あ〜、こんな日は珈琲を入れて、お供にアルフォートでも用意して、ゆっくりいろんな方の記事を読みたい。(もちろんnoteの)
でも残念ながら、今日は無理なのだ。
何故なら、私はこれから病院に行かなくてはならないから。
行かなきゃ行かなきゃと思いながら、もう随分先延ばしにしてしまっている婦人科健診。
先に書いておくが、深刻な病気ではない。
でも私の今の子宮の状態は、深刻な病気に移行していないかどうかを定期的に経過観察する必要がある。
だから病院に行くのはとても大事なことなのだ。
いくら内診が苦手でも。
婦人科の内診が得意な人なんて、いないのは分かっている。
いい歳して内診が嫌だなんて、なに言ってんだと自分でも思う。
でも私の場合、検査のために組織を少し採取する必要があり、それが結構(いや、かなり?)痛みを伴うのだ。
捻挫や骨折など割と怪我の経験が多い私は、そこまで痛みに弱い方ではないと思うのだが、婦人科の検査は別物だ。
いつも情けないほど痛がってしまう。
なので、つい足が遠のいてしまう。(言い訳)
しかしここ最近、ほんの2kgほどなのだが急にストンと体重が減った。
それが僅かに心に引っ掛かっている。
ちゃんと検査を受けていれば、「まあ毎年暑くなってくると体重減るからな〜。いつも事だわな」で終わるところを、それを怠っているがゆえに「もしかして病気のせいじゃないよな…」なんて、しなくてもいい心配をする羽目になる。
自業自得だ。
こんな事でビビるくらいなら、ちゃんと検査を受けて安心すればいいのだ。
そんなわけで、ようやく(前回の受診からあまりにも期間が空き過ぎて、かなり行きづらさを感じつつ)病院に行く覚悟が出来た。
のんびりしようと決めたGWなのだが、仮に仕事が始まってから半日かけて受診となると「面倒だな〜また今度にしよう」となりかねないので、GW中にとっとと行ってしまう事にした。
私のかかりつけの病院は、前日まで3日間休診だったので(祝日のため)、おそらく今日はめちゃくちゃ混む事が予想される。
なので、診察の受付が始まると同時に着きたい。
そう思って朝早くから出掛ける準備をしているつもりなのだが…おかしい、なぜか一向に進まない。
気が付くと、さっき取り込んだ換気扇のパーツをせっせと元通りにはめたりしている。
後でいい、そんなのは後でいいんだ。
焦る気持ちと裏腹に、未だに素っぴんのままだし、たいして洗濯物が溜まってもいないのにスイッチを入れた洗濯機がまだガラガラと音をたてて回っている。
これはひょっとして、あれか?病院が嫌過ぎて拒否反応ってやつか?
いやいやいや、そんな事言ってる場合じゃない。
心の中で自分を叱りつけながら、なんとか準備を進める。
結局、出発時間ギリギリになってしまい、メイクをするのは諦め、脱水まで終わった洗濯物を洗濯機の中に残したままバタバタと家を出た。
車をすっ飛ばして、診察の受付開始から5分後にクリニックに到着。
その時点で駐車場は、ほぼ満杯。
受付で私の前の人が「何人待ちですか?」と聞いていたので耳をそば立てると、「26人ですね〜」と受付の人はにこやかに答えていた。
26人かぁ。(という事は、私は27人待ち)
診察にひとり2〜3分かかったとして、約1時間。
その中には私のように処置が必要な人もいるだろうから、1時間半は待つかな。
そんな風に頭の中で算段していたら、思った通り1時間半後に名前を呼ばれた。(予測が当たっても嬉しくはない)
いよいよ検査だ。
準備をして待っていると、看護師さんから「前の受診からだいぶ期間が空いてますが、他で検査を受けていたんですか?」と、若干責め気味に聞かれる。
「い、いえ、他では受けてません。なかなか来れなくて、すみません…」
「そうですか」
その後は、とくに何も言われなかった。
ああ本当にゴメンナサイ。
次からは、ちゃんと来ます…
*
*
*
検査はやっぱり痛かった。
多分私は、この検査に対する痛みの閾値がかなり低いのだろう。(あまり痛みを感じない人もいるみたいなので)
毎回の事だが、帰る頃にはグッタリだ。
ヨタヨタと病院を出ると、外は相変わらず五月晴れのいい天気だった。
陽射しがポカポカと暖かく、穏やかな春の空気に満ちている。
そのまま少し太陽の光を浴びていると、さっきまでの緊張が徐々にほぐれて、冷たくなった指先に血が通っていくような気がする。
ああ、気持ちいい。
せっかくのGWに病院なんてとつい思ってしまっていたけれど、こんなに時間の余裕がなかったら私の事だ、もっと先延ばしにしていたかも知れない。
気になっていた事を済ませてホッとした気持ちは、やはり大きい。
次からはちゃんと来なきゃな。ホントに。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?