来年も、また。
飲み友達のAさんと、忘年会をやった。
まあいつもの飲み会なのだけれど、「忘年会」と名がつくと一気にイベントって感じになるから不思議だ。
Aさんは前の職場の同僚で、私が退職する前からちょくちょく一緒に飲みに行っていた。
飲み会の時はいつも私の家から徒歩圏内にある店にAさんが来てくれて、帰りはAさんは駅まで歩いて電車で帰る。
私が転職して夜勤の仕事をするようになり、休みが平日に変わってからは日程も私に合わせてくれている。飲み会の翌日は、私は休みだけれどAさんは仕事だ。
なんだか私にばかり都合が良くてAさんに悪いなぁと思い、「今度はAさんの家の近くで、Aさんの行きたいお店で飲みましょう」と提案したこともあるのだが、どうやらAさんはお店を探したり決めたりするのが苦手のようで、だったら私の家の近くで、私が決めた店にスルリと来たほうが気が楽だと考えているみたいだ。
なのでAさんとの飲み会は、ウチの近所にある新鮮な海鮮が食べられるお店、美味しいイタリアンのお店、地酒の種類が豊富なお店、の3箇所を順番に利用する、というのがお決まりのパターンになった。
ちなみに今回行ったのは海鮮のお店。生牡蠣がめちゃくちゃ美味しかった。
Aさんとは、お互いの近況や前の職場の話もするけれど、例えば「もしも死んだら、身体という自分と他を隔てるものがなくなって、全てのものと一体になると思うんですよ」なんて、自分でも意味不明だってことは十分に理解していて、だから他の人とは絶対にしないような話もする。
私が変なことを言っても、Aさんはいつも真面目に聞いてくれる。
そして「全てになるってことは地球上の全部、いや宇宙にもなるってこと?」なんていう風に私に問いかける。
そしたら私も「そう、地球上の全部。宇宙にも。もしも宇宙の先があるとしたら、その先にも」と答える。
レモンハイを飲みながらする、宇宙の先の話。
しょうもない酔っぱらいの話。でも、それが楽しい。
Aさんも私も、一応、Aさんの帰りの電車の時間を気にしながら飲んでいる。
いつも「終電の一本前くらいにはお開きにしようね」と言って、お互いそのつもりではいるのだけれど、いまだかつて一本前に乗れたためしはない。喋り過ぎて、毎回「あ、もうあと終電しかない」となってしまうのだ。
今回もやはり同じパターン…というかAさんが駅に着いた時には、すでに駅員さんが門を閉めようとしていて、ギリギリ飛び乗った感じだったらしい。
AさんからのLINEでその状況を知って、(うわ〜Aさん、ごめんなさい…)と申し訳なく思っていたら、最後にニコニコの絵文字付きで「楽しかったです。また来年も飲みましょう!」と送られて来た。
なんだか思わず笑ってしまった。
Aさん。
こちらこそ、すごく楽しかったです。
来年もまた、ぜひ一緒に飲みましょう!
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