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自転車さん。

転職後2ヶ月が過ぎた。

私が今やっているのは、工場のラインで製品の検査をしたり梱包をする仕事で、夕方の4時半から夜中の12時半までの夜勤の時間帯で働いている。

なぜその時間に働こうと思ったのかは以前記事に書いたのだが、要は自分の身体のリズムに合ってるんじゃないかと考えたからだ。

実際、仕事中に眠くなるといった事もなく普通に動けているし、睡眠時間が減ったので多少寝不足気味だが体調を崩す事もない。

なので、まあこの選択は間違ってなかったんじゃないかと思う。

今の職場は街から少し離れた工業団地の中にあって私は毎日片道20分の車通勤をしている。

私が住んでいる所は、ものすごく田舎ではないけれど、さりとてそこまで都会でもない地方都市。車が無いとちょっと不便で、自家用車の保有台数が非常に多い土地柄だ。

なので私以外にもマイカー通勤者は多いのだが、職場の人の話しによると帰宅途中に事故る社員が結構いるのだそうだ。

たぶん仕事の疲れに加えて深夜の視界の悪さが原因なのだろう。

交通量が少ない夜中の道は私もつい気が緩んでしまいがちなので、十分気を付けなければいけない。

そんな深夜の帰り道で、たまに会う人がいる。

会う、というか正確には私が車で追い抜くだけなんだけど。

後ろ姿しか分からないその人は、結構大柄な男性で上下シャカシャカのジャージ姿。そのジャージには、暗闇で光る反射材が付いている。

そして狭い路地を、ゆっくりゆっくり自転車を漕いでいる。

私はその人を密かに「自転車さん」と呼んでいる。(そのまんま)

最初は(こんな時間に、しかもこんな暗くて狭い路地に人が⁈)と驚いたのだが何度か同じ時間帯に見かける事や、あとなんとなく私用って感じじゃない雰囲気から、おそらく「自転車さん」はこれからどこかに仕事に行くんじゃないかと推測している。

あくまで勝手な想像だけど、同じ深夜に仕事をしている仲間として「自転車さん」会えると私はちょっぴり嬉しくなる。

お互い頑張りましょう、という気持ちになる。

私は今日もまた夕方から仕事に行く。
5連勤の初日だ。

今週は「自転車さん」に会えるかな。

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