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母さん、結局公務員が安定ですか⑪

「家に泊まれば?」彼からの誘いを断り切れず、泊まることにしたわたし。しかし、私は変わらず彼の事が好きで...この夜を無事に過ごすことができるのか!?コロナ禍就職記第11話開幕―――

【前回のお話】

1.これは一体何なんだ

急に泊まることになったが、彼のお家にはスキンケア一式全てあった。私はそのとき浮かれていたが、これを見たときは彼女の姿、彼女じゃなくても女の姿が脳裏にチラついた。

それでも私は構わず、シャワーを借りて寝る準備をした。

シャワーを終えて出ると、部屋の照明が暗くなっていて、彼はベッドに座っていた。私は彼に、ソファーで寝ると伝えたのだが、彼は微笑みながらベッドをポンポンと叩き私を手招いて、横に座らせた。

その瞬間、体が倒れると同時に視界が真っ暗になった。


彼は私を抱き寄せて、寝始めたのだ。私はびっくりして彼の中から抜け出そうとしたが、その度に宥められ、私は諦めてそのまま寝ることにした。

私は彼のことが好きだった。嬉しかった。

でも、なんだろうこの複雑な感情は...。私は自分のなかにずっと暗いモヤモヤがあることに気付いた。

すると、腰に彼の手がスーッと降りてくるのが分かった。


2.もうだめだ

彼の手は、もうその動きをしていた。何かが始まる動きだった。

しかし、私は彼に背中を向けていたので彼が寝ているのか、起きているのか分からない。彼もまた、私が起きていることを知らない。

ここは変に反応せず、狸寝入りをしようと思い、無視することに徹した。

絶対に一線を超えたらだめだ。

この言葉がなぜか、その時の私を引き留めていた。

それでも、彼の手は依然として私の腰をつたっていた。

彼の手に耐えながら、私はいつの間にか寝ていて、気づけば朝になっていた。

朝起きて特に変わったところもなかった。無事だったと思いながら、

まだ寝ている彼の寝顔を見つめていた。

その時の私の気持ちは清々しくもなければ、嬉しくもなかった。そこにあった感情は黒いものであった。

「この関係ってなんなんだ。」

外の雨は止んでいたが、空には分厚い雲がかかっていた。



【次回予告】

複雑な気持ちを抱えながら、また彼と遊ぶことになった。私は彼との関係性が分からなくなっていた。私はある行動にでる。




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