孤独死にならないために
私の父は10年以上前に生涯を閉じ私が一人息子として葬儀をした。
今、母を介護している最中で後数年たてば母の最期を見とどけて
葬儀をしなければいけないだろう。
残るのは、私だけだ。
本当なら死んで何か月もたってから発見される
孤独死ではなく娘に看取られて死にたい。
しかし、それはできない。
なぜならば娘はとうに結婚して他家に嫁に出しているし
なにより娘に迷惑をかけたくないだからだ。
独居で仕事はしているし日々の暮らしには問題ないのだが、
年齢には関係なく突然死などと言うこともある。
死んだ後のことを心配しても仕方ないのだが
どうにも心配でいられない。
時間は刻々と過ぎていく。私はどうすればいいんだろう。
ともかく行政や業者で独居者の対応をしてくれるサービスを探してみた。
私の住んでいる市では、行政で孤独死防止通報制度と言うのがあり
孤独死を発見した近隣の住民やライフライン業者が
市に通報すると行政で後始末をして
無縁仏にしてくれることがわかった。
でもこれでは成年後見人など立てておかなければ
本当の処理はしてくれないだろう。
私は青年後見人など立てるような年齢では未だない。
葬式代やら後始末代など貯めておいて
何とかしてもらうしかないかと思った。
自治会や友達に相談している中で宅配業者が
毎日のトイレの照明が使われているかどうかを
検知してもし何日もトイレの電気が点かないと
あらかじめ登録した連絡先に連絡してくれる
見守りサービスをしてくれることが分かがった。
だが非常事態の時の緊急連絡先になってくれる人が必要で、
その後のことも頼まなければならない。
周囲の人に相談して見た。
友達に面倒を見てくれないかと相談して見た。
何で他人の私があなたの面倒を見ないといけないのと返事された。
これでは、死後行政のお世話になり私は
無縁仏になるしかない。
私は決めた。
友達と嫁に出した娘に連絡を取り
緊急連絡先になって欲しいと頼んだ。
そして通帳や現金を残す旨を伝えた。
なんとも致し方ないけれど人は、
一人では生まれてこれず
一人では墓に入ることが出来ない。
後は、私が死んだ後の事だから友達と娘に任せるしかない。