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きみは、人なんかじゃぁ無い………バケモノの子だ!!

その2、3才の男の子は国籍人種は不明だったけど、名前をペルセウスといいます。大空を飛ぶ超音速旅客機の片翼に、のん気にも乗っていて、何やらひとり遊びにふけっていました。

その時でした。目の前に、一匹の小さな悪魔がすぅっと姿を表しました。

悪魔は言います。「どうです?ワタシと1つ冒険をしてみませんか? エへへへッ………。あんさん、見込みが有りやすぜ、テヘヘ……。」

ペルセウスはうん、とうなずき小さな悪魔と
と伴に、フワリと宙に浮き、真っ逆さまにジェット気流に逆向しながら飛行機の翼から離れ、猛烈な勢いで大空に向かって勇敢に突き進みました。

様々な次元の柔らかなブルー色の膜をヌルッと次から次へと抜けて突き破りながら、やがて悪魔とペルセウス少年は真っ黒な宇宙空間に辿り着き、キラキラ輝く星々と共に暗黒無重力空間にフワフワと浮いていました。

悪魔は語り始めます。「どうです?ケヘヘヘ…
…………、ここら辺で、あんたの魂のひと欠片でも、貰えやせんかね?あっしらの仕事はそういうたぐいのモンでしてねぇ………?」

ペルセウスはイヤイヤをしました。人差し指でまたたく星くずをつつきながら……こう言いました。悪魔さんの魂だけじゃなくて、悪魔
さんの人生や魂、家族、全てをボクのオモチャにしてくれないと、イヤイヤ………と。

悪魔は絶句しました。

ゾットする恐怖を感じて、悪魔でさえ逃げるように宇宙空間から、スッ、とその姿を消し去りました。

その後は、何という事もなく無重力の中フワフワしたりしていましたが、ある時、目の前に光り輝く巨大な精霊が降臨致しました!

ペルセウスは見上げながら、何!…………と呟き、その先手を取る様に精霊は神の声を告げました。精霊はペルセウスの身体を、とある
世界に転生させました。硬い地下の鉱山の金属の中を無理やり突き進むような激しい痛みを感じるもので、それは激しい体の痛みがするものでしたがペルセウスの意識はハッキリしていました…………

気が付くとそこは終戦直後1945年の日本の広島という所の山奥でした。ペルセウスより年下や年上の日本人の汚い格好の子供達が数十人いて、自分はその内の一人でした。

周りの子供達に聞くと自分達は戦災孤児という存在で戦争で家や家族を失い、政府という所から役人が来て軍用トラックに乗せられてここまで連れて来られた、と言っていました。政府の官僚という人達の取り決めで、邪魔な存在の戦災孤児の子供は捨てられたという事で。飢餓状態になっており半分以上の子供は餓死したとの事でした。死んだ子供は周りの土の中に埋められた、との事でした。

ペルセウスは言いました。じゃあこのまま死ぬのを待つの?山から降りて自分達で生きていく道を探さなきゃ!国に殺されるままでいいの?と叫びました!

その瞬間ペルセウスの足元がグラグラ激しく揺れ始め地震の様に地面が液状化しヒビ割れて、ペルセウスは地下の闇の奥深く呑み込まれていきました。その途中に平穏でのん気な日本の数多い神の声を空の上から聞いた気がしました。

ペルセウスが気づくと、光にあふれた雲の上の様な、そこは日本の数多くの天照大御神を中心とした八百万の神々がアンニュイに寝そべっている天上界でした。

神々はペルセウスに告げました。お前はいったい何者なのじゃ?人でもなければこの世のものでも無い、我々神仏の片割れでもない……
思うに、何かの偶然か、必然で産まれてきた
理解不能な存在と見た!!

よって、我々、八百万の神々連盟ユナイテッド、神の託言実行委員会付属その他モロモロ
連合!の集団的合意により、

ペルセウスよ!宇宙の、この世の果ての、そのまた果ての全てが消えていく、消滅の海辺へと永遠に追放処分と決定する!!………………

その言葉が終わる少し前からの身体に電気が
激しく走る衝撃を感じたペルセウスは、それでものん気にも笑っていました。

神々の裁定の通り、ペルセウスはブラックホールのそのままの、消滅の海辺の暗闇の中で
フワフワと浮いていました。

ペルセウスはそこに不思議な光るツブツブな
星くずを発見しました。

その星を指で突くと不思議なことにペルセウスの身体が丸ごと飲み込まれていったのです

目を覚ますとそこは深い緑に包まれた、不可思議な幻想動物や幻想植物、怪物達がのん気にも遊んでいる、以前から聴いていた、全てを産み出す母なる楽園の大地という場所だったのです。



新たなる大地に

その時、以前の悪魔とは違った子悪魔がペルセウスの顔の目の前に姿を現しました。

悪魔「どうですか?気分は?最低な環境に身を置き続けた、その気は????????」

ペルセウスは言いました。何かこう、もっと
ウキウキワクワク胸躍るような世界って無いのかな…………………………………!

悪魔はおののき戦慄致しました。「何なんだ、
こいつって………。」


君は人間なんかじゃぁ無い……………バケモノの
子供だ!!!!

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