自信と謙虚のトレードオフ


トレードオフの概要

意味と例

トレードオフについて、wikipediaでは以下のように説明されている。

トレードオフ: trade-off)とは、何かを得ると、別の何かを失う、相容れない関係のことである。平たく言うと一得一失(いっとくいっしつ)である。対義語は両立性(コンパチビリティ、: compatibility)。トレードオフのある状況では具体的な選択肢の長所と短所をすべて考慮した上で決定を行うことが求められる。

 ネットを見ると「お金vs時間」「税金vs社会保障」「高品質vs低価格」「経済成長vs環境問題」「育児vsキャリア」「感染症対策vs経済活動」などがトレードオフの例として挙げられている。

対立とバランス

 トレードオフは「どちらを選ぶか」という文脈で語られることが多い気がするが、私は「意見の対立」や「(数直線をイメージして)両者のバランス」に注目したい。

 例えばコロナ対策であれば「高齢者の命が危ない!」「医者が重労働に耐えられない!」「後遺症が怖い!」と主張する感染対策派と「営業自粛で収入がなくなって生活できない!」「教育や経験を奪っている!」「インフルや交通事故を防ぐため行動制限してないのになぜコロナだけ!?」と主張する経済活動派が対立している。

 特にTwitterでは両極端な主張が目立つ。そこで状況を図-1のように図化し、両者の間でバランスの取れた最適な答えを見つけたい。また政治における左右と対応させて、リベラルに多い主張を左に、保守に多い主張を右に位置付けている。

図-1 コロナにおける感染対策と経済活動のトレードオフ

自信vs謙虚

概要

 自信と謙虚はトレードオフの関係にある。例えば若手社員であれば能力は高くないだろうから、職場に迷惑をかけないために、分からないことは尋ねるなど、謙虚さが必要になる。しかし謙虚さ過剰のあまり、いつまで経っても「私はできません」といってばかりで成長しなければ、これも問題である。このように自信(・成長)と謙虚は相反する存在でありながらどちらに行き過ぎても問題であるため、トレードオフであるといえる。

これまで

 中高では統括する立場になっても謙虚であり、業務を円滑に遂行できなかった。大学生になってアルバイトを始めた。最初は謙虚でいたが、やがて、「人に頼ってばかりであるためもっと自立したほうが良い」と考えるようになり、自信・成長へ転じた。しかしその結果独断の操作で事態を悪化させてしまった。そのため自信・成長と謙虚の狭間で悩んだ。変遷を図-2に示す。

これから

 社会人1年目に関しては、「質問するなど原則謙虚でいながら、積極的に知識を吸収し強力に成長する」ことが現在考える最適解である。また質問するにあたっては、自分である程度調べたうえでするようにしたい。

 問題は2年目以降である。おそらく立場が上がるにつれ自信・成長側に寄せたほうが良いだろう。しかしこの移行する段階こそがアルバイトでうまくいかなかったように、自信・成長と謙虚のバランスが難しい段階である。後輩がいるのか、どれくらい裁量を任されるのかにもよる。ただし忘れてはいけないのは、地位が上がり謙虚より自信・成長(・能力)が求められるようになっても、独断で業務をこなすことは不適切であり、報連相は欠かせないということである。働きながら改めて最適解を考えたい。

図-2 自信と謙虚のトレードオフと変遷 

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