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ストーリー4

私は60を超えてから週3日勤務にしてもらっている。
元気なうちは働くつもりだ。
「あ、藤本さんおはようございます!」
「おはようございます。岩田さんはどう?」
「どうもこうも、動きがもうおばあちゃん。藤本さんの方が断然若い!」
「そう…ハハハ…あら、近藤さんおはようございます。」
「藤本さん聞いて下さいよ~あの新しく入った人、過去にむち打ちとギックリ腰をしてるから無理はできないって大山くんに言ったんですって!」
「え、そうなの!?」
「同じ契約社員でお給料一緒なのに簡単な仕事だけするってずるくないですか〜?なんで主任は採用したのかしら。私そういう人と一緒に働きたくないです。」
「それはそうよね……」
困ったことになってるわ……私が毎日来れればいいんだけど……主任も会社の離職率上げたくないんだろうな……

岩田さんは1人棚の補充をしていた。
「岩田さん、おはようございます!」
「あ、おはようございます。」
「補充のやり方教えてもらったのねぇ。私がいない時は大山くんが教えてくれるから、分からないことがあったら、なんでも聞いたらいいわよ!」
「はい………仕事覚えられなかったら、クビですか?」
え、誰かに何か言われたのかしら………
「クビなんてことはないわよ!そんな弱気なこと言ってないで頑張りましょ!あとで見返せるようにメモはしっかりとってね。」
「はい、頑張ります!私、実は今日誕生日なんです、59歳になりました!アハハハ」
「そうなの〜それはおめでとうございます!」
仕事の合間に、子供が小さいうちに離婚して、女手一つで女の子2人を育てあげ、今は1人暮らしなこと。
私と同じ10歳の孫がいることなど、いろいろ自分のことを話してくれた。
アタタタ………今日ははりきり過ぎたかしら………腰が痛いわ~


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