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ストーリー3

「三村さん、今日事務所に顔出してます?」
「行ってないけど。」
「黒いキャップを被った見かけない女性がいましたよ。新しく入る人ですかね。」
「ホントに?ちょっと見てくるわ。」
「吉村さんは知ってます?」
「それが知らないのよ。」
「副リーダーが知らないってどういうことですか〜?!極秘採用?」
「私、知ってるわよ。」
振り向くと藤本さんが立っていた。
「さすがベテラン、藤本さん!」
「なんでも第3倉庫で採用したんだけど覚えが悪くて困ってたんですって。」
「何歳なんですか?」
「58っていってたかな。60超えて働いてる私がいるから、第1倉庫ならいけると思ったのか私に面倒みてくれって主任から直々に話があってさ。」
「ちょっと待って下さい。藤本さんは勤続25年の大ベテランですよ。一緒にされたら困りますよ〜!」
「それで面倒みるって引き受けたの?」
三村さんが話しに入ってきた。
「うん、私にできる範囲でならってことでね。」
事務所のドアがあいて副主任とさっきの黒いキャップの女性が入ってきた。
みんな一斉に見た。
「皆さん、今日から第1倉庫に配属になった岩田和子さんです。」
「よろしくお願いします。」

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