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ストレートが来ると思ったら床に穴が空いた
灼熱が息をするようになってきたこの頃。
もっぱら外に出ずに読書ばかりしていると夏真っ盛りという事も忘れてしまいます。
そんな三連休に読んだのは
井上夢人 「ラバーソウル」
ピンとくるかたも多いのではないでしょうか。「ノルウェーの森」も収録されているビートルズのアルバムタイトル。
本屋でまんまとタイトルにつられました笑
最近少しづつミステリーに手を出していふ私は井上夢人氏の作品を初めて手に取りました。
洋楽専門誌にビートルズの評論を書くことだけが、社会との繋がりだった鈴木誠。女性など無縁だった男が、美しいモデルに心を奪われた。偶然の積み重なりは、鈴木の車の助手席に、美縞絵里(みしまえり)を座らせる。大胆不敵、超細密。ビートルズの名曲とともに紡がれる、切なく衝撃の物語。空前の純愛小説が、幕を開ける――。
何かの取り調べのように様々な人物の供述で展開されていく物語。
これもまた小説であることをこの上なく発揮した作品でした。
ただ切ないだけでは表せない、その埋まることのない溝のどちらから物語を見ているかは読者次第かもしれません。
ミステリーであってミステリーでない、ジェットコースターに乗りながらsf映画を見ているようなどこか落ち着かない感覚は束の間。
胸ぐらを掴まれるが如く本に引き込まれました。
そして感情描写が溢れ出んばかりに豊かでした。
各々が語っていくんだからそりゃそうなんですけど主観的に語られていくのは偏狭さもあり好きでした。
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