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素晴らしき世界

就寝前の一本なので落ち着いてそうな作品を選ぶ。結論から言うとあまり就寝前には向いていない。決してドタバタではない映画だが、ハラハラするし主人公が進んだり戻ったりするのにヤキモキする。そしてだいぶプツッとした終わり。消化の時間が必要な種類の映画だ。

元暴力団組員が出所する所から始まる本作。そこで母親探しをテレビに依頼するという意外な展開で始まる。役所広司×仲野太賀という好きな俳優さんで始まる物語。

すぐ暴れるし言葉も選べないし不器用丸出しな主人公にハラハラしてしまう。長澤まさみの胡散臭さも半端ない。と思ってからの芯を食った一言に揺れる。現実は厳しいけど人柄か、主人公の周りにはいい人ばかりが集まる。逃げることができず、カッとしやすい人間の危うさと、けど人としての正しさとは。生きるとは。色々投げかけられた中での早すぎる嵐の夜。

確かなのは登場する誰もが真剣に生きていること。そして一人一人のできることは限られていても、想いは確かに伝わること。きれいごと過ぎる世界にも取れるが、少しだけ信じてみたくもなる。嵐の夜がこなければのもしもの未来は果たしてどのくらい先があったのだろう。私はペシミストなのでつい悪い方向に考えてしまうが、そうじゃないと思う人もいるのだろうか。やっぱり映画は一人で観る映画と議論したい映画と2種類ある気がする。一人で観るのにいい映画ってなんだろう。

役所広司が好きな人におすすめな一本です。
そして本作が好きな人にはヤクザと家族をおすすめします。ヤクザもの繋がりという意図はなく、生きる難しさについて考えさせられます。








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