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日常の中の物語

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めざめ

6時30分のアラームの音
また生きてる
そんな考えが今日も浮かんで

なにか夢を見ていた
だけどどんな夢だったか思い出せない
なぜか涙が頬を伝って
そのまま天井をしばらく眺めた 

こんなふうに忘れてしまうなら

外ではカラスの鳴き声
独りは嫌だ!
あのカラスも愛を求めて

なぜかお腹を空かせてる
だけど何も食べたくはない
胸に手を当て
本当の心ってなんだろう

こんなふうに見失ってしまうなら

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揺れながら微笑み

静かな木漏れ日に
心地良い風を感じながら
羽織ったカーディガンが揺れる

昨日買ったスニーカーでどこまでゆく

豊かな感情に
繊細に微笑みながら
塞ぎ込んでいた心も揺れる

覚えたてのステップでどこまでもゆく

雨上がりの虹に
水たまりが鏡になって
キラキラ輝いて小さなプレゼント

そんな思い出を握りしめどこまでゆく

揺れながら優しく微笑み
揺れながら優しく微笑み

透かした絵本

絵本を開いて

今日はどんな物語

ねぇ
透かしてみて
透かしてみて

詩を羽に乗せ

詩を羽に乗せ微かな吐息で届けよう

気付かれないよう
苦い感情はひた隠しにして
少し距離を感じる事だってあるけど
僕はもう僕だけではない

人と接する事で優しさを覚えたのなら
大切にしていたい 
ずっと ずっと ずっと 

心を小さな池から掬って体中に巡らせよう

気付いているんでしょ?
それも分かっているから
もう一度歩み寄ってみて
僕はもう僕だけではない

人と接する事で悲しさを覚えたのなら

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夜の中で

不安といつも隣り合わせ
逃げゆく先はいつも夜の中

もう少しだけ
1つ2つと数えては
もう少しだけって 
言い聞かせ

眠れずにいるから窓際の猫と一緒に

拙いギターの音色に
静かに浮かぶあの月はそっと微笑んだ?

爆発寸前だったこの心は
いつの間にか、しけってた

隣に座ってる名も知らぬ人
誰でもいいから灯して欲しい
この空っぽの心

また
1つ2つと消えてった
まだ残ってるって
言い聞かせ

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