〈短歌〉冬の夜に胸にぺたりとはりついて猫はわたしの安心毛布
以前、飼っていた猫の兄妹はいつも添い寝をしてくれていた。
わたしが布団に入ると、待ってましたとばかりに布団に潜り込んできて二匹でわたしの胸と腹に乗り、一緒に寝るのだが、夜中目が覚めると、掛け布団の上、足元の方で二匹とも寝ていた。
毎回なのだ。
一緒に寝るのが嫌ならば、最初っから足元で寝ればいいのに、と疑問に思っていたが、ある日、うつくしい解を思いついた。
猫たちはわたしが寝るまで添い寝をしてくれているのだ。
そして、わたしが寝入ったあと、ひと仕事終えたね、と兄妹でお互いを労いながら、足元でゆっくり自分のペースで丸くなって寝る。
わたしは胸と腹の上に4キロプラス4キロの熱い塊を乗せているためか、悪夢をよく見ていたが、そんなことは無問題。
二匹の愛情(?)に幸せな気持ちになっていた。
もちろん、猫には猫の事情があり、こちらの勘違いの可能性も大きい。
けれども、そのとき、猫たちがわたしに与えてくれたポジティブな気持ちは今でもスヌーピーのライナスの毛布みたいに安心をあたえてくれる。