独学こそ最強の勉強法である。〜野口悠紀雄 人生を変える「超」独学勉強法〜

〈勉強=学校〉は思い込みにすぎない。テクノロジーが日々進化を続ける中、社会に出てからの地位を左右するのは「独学」だ。人生を動かす「学びのコツ」を教示!

カバー折り返し より


なぜかAmazonでは上記の本が定価販売されていなかったため、同様のタイトルである以下の本のリンクを貼っておきます。出版年に関しては以下の方が古いですが、本質的な内容に差はないと思われます。


感想

 
  読書においてどこで読んだのかは非常に重要な問題になってくる。時もまた重要である。その場所でしか出会えない、その時の精神状態によってしか味わうことができない感動が確実に存在するからである。
例えば何か面白いことが起きないかと思っている時に買った本が人生の指標になったりするなどである。

  ちなみにこの本は「京都への上京」中に、尾道のホテルの近くのコンビニで購入したものである。予定より早く尾道に着きすぎて暇であったため、海を眺めながら読んだ。狭く入り組んだ斜面に建てられた建物、狭い港、時折聞こえる船の音、夜景。どれをとっても長崎と親近感の沸く風景だった。尾道で食べたラーメン、珈琲どれも美味しかったし、自転車屋の店主は優しくて...。おっと、話が逸れてしまった。

  さて内容に関してなのだが、タイトルにもある通りズバリ独学を進めている本である。どんなに講師陣が優秀だったとしても自分で勉強すべき部分は必ず出てくるわけであって、そんな時に独学は重要である。昨今コロナウィルスの影響で自宅待機を余儀なくされることが多いが(最近はだいぶなくなってきた)そんな時こそより必要になってくるのが独学のスキルである。コロナ明け、もしくはコロナ後の世界はそれまでの世界の流れと大きく違っており、変化のスピードも増すことが予想される(と、この本では書かれている)。そんな世界はかつての教養にしがみついて新しいことを学ぼうとしない姿勢では生き残ることはできない。

  そんな世界で生き残って行くための方法論と著者自身の体験や考え方がこの本には書かれていた。特に著者が強くお勧めしているのが「まずやってみること」である。準備の段階にいくら時間をかけていてもやってみないことには進歩はない。たとえ進んだのが0.1だったとしても0よりは大きな差があると説いている。さらにやってみないことには修正もできないと説いている。例え素晴らしい成功法があるのだとしてもそれはその方法を導き出した本人にとっては、ということだ。重要なことは正攻法をなぞりながら自分好みに改造していくということである。具体的な内容は以下に書くことにするが、要はそういうことである。

  あえてもう一度書くとするならば、この本を本当に旅の途中で読んでよかったと思っている。人生という長い旅路でまずは踏み出してみること、過去の成功例なども踏まえながらアレンジしながらやってみることを学べたことは非常に有益であった。
また以下に本を読んで学んだことと独学の方法を書いているが、どれもあちこちの本で見られるような基本的なことばかりであった。だがそれは独学の正攻法はそんなにバリエーションがないことも示している。この本では小手先のテクニック(ポモドーロテクニックなど)ではなくどうしたら独学ができるようになるかといった勉強法の本質そのものに近いものが書かれていた。つまりは独学に抜け道のようなものは存在しないが、ちゃんと辿れば人生を好転させることができるとも解釈できる。その道筋を辿れることこそ才能だという人も出てくるだろうが、それを看破する著者の人生と考え方が見られる良い本だった。

学んだことと独学の方法

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