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笠原征夫の【一問一答】部下のマネジメント

代表の笠原が読者や社員からの悩み相談に答えていくコラムです。

仕事・プライベートにかかわらず社員のみなさんの悩みが少しでも解消され、みなさんのより良い人生と更なる成長につながることを願って定期的に綴っていきます。それではいただいたご相談に答えていきます。

【質問】

部下のマネジメントについて、思うように動いてくれず悩んでいます。
どのようにすれば人はついてきますか。マネジメントで大切なことを教えてください。
(30代、女性社員:入社8年目)

【答え】

思うように動いてくれないと言う現象の原因はケースバイケースで様々だと思いますが、一般論として、いくつかお話したいと思います。

まず、部下の方の仕事への意欲・動機付けが十分かと言うことがあると思います。
十人十色ですから、全ての人が強い意欲を持って仕事に臨んでいるとは限らず、給料のために必要最低限するものだと思っている人もいるかもしれません。

よって、思うように動くことを期待する前には、まず、部下の方の基本的な育成が必要かもしれません。
これは、多少大げさに言えば、部下を慈しみ、大切にする実践です。何も言わなくても、長期的な幸福・成長のために、何事も努力する、自分を鍛えることが習慣づいている人と、刹那的な快楽・安楽を優先して、怠惰の習慣づいている人が多いと思います。

後者のタイプの方には、機会を設けて、その点を具体的に伝えていくと共に、自分自身が改めて学ぶことが必要かもしれません。

まず、仕事に前向きに積極的に打ち込むことは、その分野の知識・技能・人脈の財産を蓄え、キャリアアップとなることはよく言われますが、それだけではありません。
脳自体を鍛えて発達させ、その機能低下・老化を防ぎ、実務的な能力・知能、心・感情を制御し、人間関係を営む力にも及び、人生全体にわたって健康・知性・人間関係の改善を助けます。

しかし、脳は、鍛えなければ30代から既に老化を開始し、感情を制御する力も40代を頂点として落下していきます。

一方、鍛えれば脳は何歳でも発達することが最近になって判明していますが、当然20代の脳が若くて柔軟な時が、鍛えた際に最も効率よく発達することが期待されます。
すなわち何歳でも脳を鍛えることは価値があります。

仕事を含めて、社会的交際がなくなり、購読になった場合は、脳の機能、認知力、集中力、心身の健康状態が悪化することが判明しています。


もう一つの視点が、利他の心構えの育成です。
仕事は、他との協調作業ですから、他に気を配ることが求められますが、その点に欠けているために、貴方が思うように動いてくれない可能性があります。

利他の心と実践は、脳科学的には、オキシトシンやエンドルフィンといった幸福ホルモンを分泌させ、心身の健康・知性の向上・人間関係の改善をもたらします。
また、心理学的な調査・研究でも、利他心の強い人は、長期的に見ると、その人を幸福にしようとする人が増えるため、幸運・幸福な人生を送ることが判明しています。

こうして、まとめるならば、自己中心的な刹那的な快楽・安楽を求めた怠惰な生き方は、長期的な幸福を損ない、長期的な利他的な幸福・成長のために、仕事その他において自分を鍛える生き方は、長期的な幸福をもたらすという原則があります。

(若いうちは)苦労は勝手でもしろ、情けは人の為ならず、急いては事を仕損じる、急がば回れ、と言うのは、科学的な真実です。
ある意味で、とても基本的なことですが、こうしたことも、場合によっては、機会を設けて、改めて部下に伝えつつ、自分も実践することが重要だと思います。
これ自体が、貴方自身にとって、仕事に関する今の刹那の部下との関係ばかりではなく、部下の長的な幸福を考え、部下を大切にすることになると思います。

また、これもまた月並みなことですが、上記に関連して、貴方の会社の貴方と部下の仕事が、単純に売り上げ・給与を得る以外に、その顧客、他者・社会貢献の視点から、どのような有意義な役割・意義があるのかを自分でもよく考え、常に部下に伝えていくことも大切だと思います。

部下が会社とその中の自分の仕事に誇りを持つことは、仕事に打ち込む姿勢に深く関係してくることは間違いないと思います。
この点、多くの会社が、会社の事業が営利の追及だけでなく、社会的な価値を持つことを強調するようになっていると思いますが、自分でも改めてそれを実践することだと思います。

こうした部下の尊重と育成に加えて、思い通りに動いてもらうためには、部下への感謝が重要になると思います。
パナソニックの創業者で昭和の稀代な実業家である松下幸之助は、多くの人を動かそうとすれば、指示命令だけでは足りず、感謝の心が重要であると語っています(場合によっては、拝むほどの感謝が必要とも言っています)。

生命欲求などの基本的な欲求が充足された現代社会の人々の非常に強力な欲求が、自分自身の価値・自尊感情の充足です。
そのため、感謝などを通して、自分の価値を認める人を愛し、その人の考え・言葉を受け入れ、その人のために動こうとします。
よって、常に日ごろから、感謝の気持ちを持つように努め、機会を見つけて、それを部下に伝えていくことが大切だと思います。

応援しています。
素晴らしい一日をお過ごしください。

笠原


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