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シンガポール アジア文明博物館(Asian Civilization Museum)の古い仏像

マリーナベイに面した、マーライオンがいる公園からほど近い場所にあります。19世紀に建てられた建物に入っています。

難破船から発見された宝物とかアジア各地の衣装など、興味深いものがさまざま展示されていますが、その中で仏像は2階の広い部屋をいっぱいに使って展示されています。もともとは個人の方のコレクションとして始まったそうですが、質量ともかなりのものが収集されています。

時代別、地域別のコレクション

佛牙寺と同様に、ガンダーラや古代中国時代の仏像から始まり現代まで各時代の仏像が見られます。

3世紀ごろに作られたガンダーラ仏。仏像の手の形にはそれぞれ意味があり、これは説教を行っていることを示している。

また、仏教が伝来した各地の仏像が収集されています。スリランカやミャンマー、タイなど地域ごとにまとめられています。仏像という同じ主題を表すのにも地域ごとに個性が出ているのが分かります。

スリランカの仏像。頭上から出る光の表し方が特徴的。
カンボジアの仏像。炎天下で修行するブッダにコブラが日陰を作ってくれている。

なお、仏教以外の宗教についても展示されています。イスラム教から始まりキリスト教やユダヤ教、ジャイナ教の展示もありました。展示物から、それぞれの宗教が影響しあっていることをうかがうことができます。他民族国家シンガポールの実情を踏まえているのでしょう。

日本史にかかわる展示物

興味深いところでは、江戸時代の踏み絵もあります。実物は初めて見ました。ちゃんと片足が入るぐらいのサイズの銅の板に磔刑図が彫り込まれているのが見えます。

支倉常長の肖像画もありました。
フィリピンとメキシコと通ってスペインまで行ったそうです。
いまの私たちと違い、この時代に海外に行くということは相当のものだったのではと想像します。

磔刑図が彫られた踏み絵。


支倉常長を描いた油絵。服装が安土桃山のようでもあり洋風でもある。

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