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お前はどうしたいの?と聞かれて答えられなかった話

今から5年前くらい。長男を出産後、当時勤めていた会社で時短勤務をしていた時の話です。

私は新卒で人材系の会社に入社し、求職者の登録や求人紹介の仕事をしていました。自社に登録していただいた方が希望のお仕事につけるようサポートする、という仕事でしたが、もちろん内勤営業職としての側面もあり、月ごとの登録者からの就業斡旋率や、前年同月比で何%達成できたか等、個人やチームでの数字も下ろされていました。

上司からも数字達成は必須、という感じで新卒時代から刷り込まれていましたし、割と負けず嫌いな私は、その「数字達成」というものに当時結構こだわって仕事をしていたと思います。定期的に行われる個人面談でも、目標としていつも書いていたのは、だいたい「前年同月比〇%達成する」とかそんな感じのことだった記憶があります。(そう書いておけば会社的にも問題ないだろう、的な思いもありましたが。。)

その会社で1人目の育休から復帰し、たぶん1年程勤めた頃だったかと思います。個人面談の際、当時の上司からいつもと同じように目標シートを見ながら話を面談をしてもらっていたのですが、次の目標を聞かれ、今まで通り「前年比105%目標で。。」みたいなことを伝えたのだと思います。特にそれで何も言われないだろう、と思っていたのですが、その上司から、「いや、数字とかはいいから、お前は今後どうしていきたいの?」と聞かれたのです。(え?どうしたいのって言われても。。数字達成しとけばいいんじゃないの?数字とかはいいからって、今まで散々数字達成しろと言ってきておいて無責任なのでは?)とかなり混乱したのを覚えています。会社から降ろされた数字をやり切る、ということを一番に考えていた(もちろん担当の方が無事お仕事が決まって嬉しい、良かったという思いでも仕事はしていましたが)ので、「自分が何がしたいか」という視点で仕事をしたことがなかったんですね。なのでその時は確か何も答えられず、上司からは「そこは良く考えておいて」と言われて面談は終了したかと思います。

それまで私は、会社から与えられた仕事をする事が当たり前、そして上司からの評価を得たくて仕事をしていただけだったのだと思います。正直なんか違和感を感じつつも、仕事は辛くても頑張るのが当たり前、それが社会人として稼ぐということ、という考えも染みついていました。今考えるとちょっと怖いですが。。

その出来事があってから、「自分はどうしたいんだっけ」ということを少しずつ考えるようになりました。たった一言の問いかけだったのに、そこからものすごく今までの自分と、これからの働き方を考えるきっかけになったんですね。

その後いろいろと悩み、模索し、結果その会社は退職し、新たな仕事にもチャレンジすることになりました。そのあとも、自分が何をしたいか、何を優先したいかを考え続けた結果、現在はフリーランスという形で少しずつ仕事を始めています。当時の私は、まさか自分がいずれ会社に属さない形で仕事をするとは全く思っていなかったです。。

誰かの一言で進む方向が変わった、そんなこともあるのだなーと、その時の上司には今でも感謝しています。


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