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暇を持て余したアラ50アル中ぼっちおばさんの遊び その2:呪い【中編】

 人から嫌われるのは慣れています。しかし、嫌われるにもタイミングがあるだろうて(いや、ないのか)。人間は“守ってくれる存在”がいなくなるととんでもない孤独感に襲われます。そんな時に、見事に傷口に塩、いや、唐辛子を塗ってくれました。

 しかも、私がバカだったなあと心から後悔かつ反省したのが、私はそのおばさんを信じきって今までいろいろ個人的なこと(お金やお酒の悩み、人間関係や夫婦関係の愚痴、離婚問題、セックスなど)を打ち明けていたのでした。理由は、かつてバリキャリだった彼女は教養もあり博識だったからです(あと、子なしの専業主婦でいつもTwitter(現X)ばっかりやってて暇そうだったから話をしやすかったのもあるな)。

 しくじった……。中傷+裏切りかよ。私が話したことも誰かに話しているのかな。途端に血の気が引きました。

 彼やそのおばさんについて相談できる人がいれば良かったのかもしれません。しかし、どんなに仲が良い友人でも、知らない人のことを相談されたら「知らんがな」だし、もし私だってそんなことをから友達から相談されてもどうしようもないでしょう。まさに時間泥棒です。途方に暮れた私は「いのちの電話」にインターネット相談したり、「あなたのいばしょチャット相談」を利用したり、独り言を言えるアプリなどを導入したり、なんとか気を紛らわそうとしました。

 しかし怒りは消えないどころか呪いの念はさらに強まるばかり。宅トレのボクササイズではそのおばさんのことを考えて拳を突き上げていましたが、全然怒りがおさまらない。訴えることも考えて弁護士の知人に相談もしました(大人のいじめとして。私がいじめと思うならいじめなのだ)。

 幸か不幸か、仕事がアホのように忙しかったので仕事中だけは呪いを一瞬忘れられました。が、ふと仕事から離れるとまたやってくる負の感情。お百度参りならぬ、お百度呪いの域です。朝起きては呪い、昼に腹が減ったら呪い、夜も酒を飲みながら呪い、寝ている時も夢で呪い。実に忙しい。

 せめて一言「デリカシーがなかった」とか謝れよ。お前が言ったのは事実で正論だろうが、絶望の火に油を注ぐようなことをして何が楽しいのか。この恨み、はらさでおくべきか……。と、絶望や悲しみの矛先を完璧に呪いに転換して、まあ、1カ月くらいは暮らしていました。食欲がなくて3キロ減ったわ。

 もちろんお酒の量も増えて、関係ない周りの人間や仕事のクライアントにも酔っぱらって八つ当たりしたり暴言を吐くようになりました。遺書でも書いて自死したら。地元から去れば。あのおばさんはなんて思うかね。とも一瞬考えたけど、ああいうデリカシーがなく無神経な人間は多分笑って(遠方で)祝杯を上げるだろうと思ったら間違いなく得策ではないと思いました。いや、祝杯すらあげないか。無関心だろう(苦笑)。

 今はやっと彼を思い出して泣くことも減ったし、負の感情に飲みこまれたまんまだと天国にいる彼も悲しむだろうと思うようになりました。いや、まだ負の感情はあるけど、呪いに代わる新しい暇つぶし? を見つけたので、なんとか。その方法とは……。長くなったので次に続きます。明日の取材の準備をしなくてはならん。

※私が彼女のことをこうやって書くのも「中傷」のうちに入るのかな。しかも私の一方的な感情であって、彼女の本心は分からないし。もしかしたら私が現実をみつめないから“優しさ”で言ってくれたのかもしれないしな。ま、あくまでも“フィクション”ってことで……。

【後編に続く】

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