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「やっぱりコイツもか……」もれなくだめんずを育ててしまう私 その2

(その1から続く)
歴代の彼氏の中でも、ダントツにだめんず(に育ててしまった)なのがこのアホ男だと思う。彼と同棲を開始するに当たって、新居でまず行ったのは「家祓い」だ。

というのも、後から知ったが、それまで別の彼氏と同棲していた賃貸住宅が不動産屋界隈では結構有名な心霊物件で、私自身にも霊がたくさん憑依していたからだ(「見える」同僚から霊の存在を指摘され、霊媒師を紹介してもらった。その際に霊媒師から、ウチは「霊の社交場だ」と言われた。ただ、いるだけじゃなく、ダンスでも踊っているのかよ……)。元々霊媒体質の私VS霊の話は山ほどあるから、機会があったら記したい。

話がそれた。家祓いに戻ろう。家祓いをして霊とは無縁の幸せな同棲生活がスタートするはずだったのだが、同棲してからこのアホ男が豹変した。DVとモラハラが始まったのだ。私よりかなり年下だったアホ男、出会った当初は小鹿ちゃんのように可愛らしく私に従順だった。私も年上らしく恋愛をリードしていたと思う。

だがしかし。どこのタイミングがきっかけだったか忘れたが、いや、きっかけはなかったのかな、徐々にかな。気付いた時には立場が逆になっていた。完全に私はアホ男の「しもべ」になった。

例えば、「俺みたいに若くてかっこいい奴とな、サーニャみたいなおばさんが付き合えるなんてありがたいと思えよ」と言い出し、「かっこいい俺に釣り合うようになれ」と、容姿についてもダメ出しするようになった。

(ええ~。はじめはそっちから求愛してきたんじゃん……)と思いつつも、それまでろくに化粧水すら買ったことのない私がスキンケア用品を揃え、ダイエットに励んだ。

極めつけは、私の「命の水」であるお酒も「太るし肌に悪いから」と禁止された。おかげ様で、アホ男が仕事で外出した時に隠れてお酒を飲む始末。

お酒の空き缶はキッチンの戸棚に隠していたが、ある時それが見つかってしまい、ソファから蹴り落とされた。この事件をきっかけに、アホ男は徐々に私に手を上げるようになった。

特に綺麗好きのアホ男にとっては、部屋に髪の毛が1本でも落ちていたらアウト(殴られる)だったから、毎日必死に床をコロコロしていたものだ。今思うと、なんと窮屈な生活よ。

そうして私はアホ男の理想の女に近づいたものの、疲れてしまって別の男に走った。そして私の浮気がバレてアホ男は勝手に家を出て行った。最後の最後は殴られなかった(笑)。

なぜ浮気がバレたかというと、ある時うっかりmixiをログアウトせず寝てしまい、「次はいつ会う~?」みたいなDMをアホ男に見られたからだ。てか、他人のPCを勝手に見るなよ。

今なら「コイツ、霊よりひどかったじゃん……」と思えるけど、当時の私は「私が悪かった」と泣いてすがった記憶がある。

モラハラDV男を必死で引き止める、悲しい女の図

 そう言えば、アホ男も出会った頃は謎のベンチャー企業? のサラリーマンだったはずなのに、いつの間にか仕事を辞めて、ロクに働かないというか、なんかグレーな仕事をしていた。

だからお金は持っているはずなのに(よく現ナマを持って帰ってきてた。多分、毎週10万円くらいか?)、自分以外にはやたらケチで、私はライター+テレクラの副業をしてアホ男に貢いだ。それでも貢ぎ足らず、私は消費者金融でキャッシングをしてまで貢いだ。
 
ちなみに、この時に消費者金融で借りた20万円は、渋谷区の闇マンション(「いまが私の人生のドン底だと思いたい……その3」参照)に引っ越した時に住民票を移さず、携帯電話の番号も変え、「世に存在しない人」になりきったので、督促状も届くことはなく「逃げ切った……!」と思った。だけど、旦那と結婚した時に住民票を作成したら身元がバレて、当然だが返済しなきゃあかんとなった。アホ男に費やした借金を、結婚後に払うという虚しさよ……。
 
アホ男は浮気もしょっちゅうだったし、今思い返すと付き合っていても良いことが1つもなかった。今頃何をしているのかな。
 
そういえば、その昔、8年間同棲していた元彼も、出会った頃は製造工場勤務だったのに、私と同棲するようになって「音楽関係の仕事をしたい」という理由で仕事を辞めて無職に。やがてレコ屋でアルバイトを始めた。収入は、工場勤務時の27万円から6万円くらいまで激減した。
 
「音楽制作にMacが必要なんだ」と言われ、私はMacブックも元彼に買い与えた。当時の年収は800万円だったので、Macブック1台をキャッシュで買い与えるなんてお手の物だったのだ(今の私からは考えられないけど……)。

しかし、元彼が作る音楽は私がまったく興味がないピコピコした電子音楽で、「バカじゃないの……」と私は元彼を見下すようになった。

デートも「音源を取る」という理由で、わざわざ千葉の滝にまで付き合わされたり。完璧に元彼への興味を失っていた私は、相変わらず「次」を確保するための浮気に走る。

そうだ、この元彼は家賃を1円も払ってなかったな~。にも関わらず、元彼が自宅に連れ込んだ浮気相手とバッティングするというアクシデントにも見舞われた。既に元彼に興味がなく「次」を確保していた私は、別にショックもなかった。「じゃあね~」という感じで交際を終了した。

と、立派な「だめんず」を育て上げた経験は割と豊富だ。特に上記の3人に共通するのは、「仕事を辞める」ことだろう。
 
この3人に限らず、ちらと付き合った複数の男の中にも、変な葉っぱに手を出して捕まったり、束縛が過ぎてストーキングされたり、二股をかけられたり、なんだかもう散々だ。しかし全般的に、付き合った当初は「まとも」だった。
 
私と付き合うとなぜ彼らはだめんずになってしまうのか。その理由を考えるに、私が生粋の恋愛依存だということがあげられるだろう。あっちから好かれて付き合ったはずなのに、私の方が夢中になってしまう。尽くしてしまう。

それともしかしたら、私のフリーライターという職業が、まともな男たちをダメにしたのかもしれない。彼らからは、「アル中が、ただ書くだけで楽して稼いでいる」としか見えてなかったのでは……?。だとしたら、「俺も楽していいだろ」って考えるのもなんとなく合点がいく。

その3に続く


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