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行き先は私のことを誰も知らないところまで。

私のことを誰も知らないところに行きたい。

川が見えるお家を借りて、猫と遊んで、本を読んで、

春風に挨拶して、

麦わら帽子を買って、

もみじを栞にして、

シンシンと降る雪をずっと眺めていたい。

朝早くから電車に乗って、何故か申し訳ない気持ちで乗る満員電車の朝もいらない。

お昼休憩を1時間ぴったり取らない方がいいよねって思うお昼もいらない。

寝たら朝が来ると思いながら眠る夜もいらない。

時々全てが嫌になる。

私と他人を比べてしまって。

もういっそこのまま世界が終わればいいのに、なんて。

電車から見える知らない土地にこのままいっそ降りてしまおうかな、なんて。

それでも、そんなこと出来なくて。
ちゃんと体は目的地に向かっていて。


このまま誰も私のことを知らないところまで行ってしまえたら、どんなに楽だろうか。


いや逃げたと自分を責めるのかな。


いっそのことタイムスリップ出来たらいいのに。
なんて考えながらまた私は満員電車に乗っかっていく。



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