内向的な人と外向的な人の会話の違い

この世界には、内向的な人と外向的な人が存在する。

内向的と言えば、内気、シャイ、文化系、おとなしい…
外向的と言えば、元気、活発、体育会系、誰とでもすぐ打ち解ける…
等のイメージを持つ人がいるかもしれない。

だが、実際は、内向的とは興味関心が自分の内側に向かう人、外向的とは興味関心が自分の外側に向かう人である。
どちらが良いとか優れているというものではない。
自分を通して世界を見ているか、世界を通して自分を見ているか…その違いである。
この記事では内向的、外向的について詳しく解説するわけではないので、興味がある人は各自で調べて欲しい。

筆者は、内向的な人である。小さいときからそのように言われてきたし、自覚している。
仲が良くなる友達は大体同じような内向的な人だった。類は友を呼ぶというのは不思議なものだ。だが、集団生活となれば様々な人と接することとなる。バイトを始めたり、就職をして一歩別の世界に踏み出すと、自分とは全く価値観が異なる外向的な人たちが表れた。同じ仕事を共にする同僚として、付き合っていくこととなった。
付かず離れずの程よい距離感を保ち、自分とは違う外向的な人とはどのようなものなのだろう…と、若干冷静に観察をしていた。

大人数で集まって騒いだり、複数人でワイワイやる…というのはどちらかと言えば苦手なのだが、外向的な人が、同じく外向的な人と話をするとき、どのように話が進んでいくのか興味があり、きちんと分析したいと思ったので参加することがよくあった。

その結果は、慣れないことをして疲弊したり、誰かの無意識的な差別発言や心ない言葉に傷ついたり、自分と全く異なる人間性に恐怖を覚えたりなどした。
内向的なワイ、陽キャに囲まれ疲弊するwwwの図だった。
うまく打ち解けることができていたのかはわからない。

が、収穫はあった。何度か参加するうちに、外向的な人の話題の中心となるものが何か分かった。


外向的な人の会話の例と分析


●その場にいない第三者の話題
(○○がこんなことをしていた、こう言ってた等)
●職場の共通の話題、エピソード
●その場に参加している人のイジり、各々の出来事の話
(恋人はできたのか、恋愛の話、自分と恋人とこういうことがあった等)
●その場にある目に入った物について関連する話題(メニュー表の食べ物の話題、好きな酒、会計の際に取り出した財布の話題等…)

これが全てではないが、大体こんな印象だった。
大体はその場にいない第三者の話題が多い。
会話の流れの例を考えてみた。実際にあった出来事でなく筆者が創作したものである。

同じ職場で働いている人物A、B、Cで飲みに来ている例

A「今日、○○さんが~でこういうことをしてたんだけど…やばくない?」
B「そうなんだ。それ俺もよくやるけど、ダメなん?」
C「え??私もそうしてるよ。店長に確認したらやっても大丈夫だって言ってたよ。」
A「そうなん…!?知らなかった…えー。私も今度からそうしよう」
B「てかさ、飲み物少なくない?なんか頼む?」
C「じゃあウーロンハイで!」
A「私はレモンサワー」

筆者はこのように分析してみた。

A「今日、○○さんが~でこういうことをしてたんだけど…」
⇒誰が~していた、こう言っていた(第三者、外の世界について)
A「やばくない?」⇒自分はどう感じたのか(自分の内側)

B「そうなんだ。それ俺もよくやるけど」
⇒他人の意見を受けて(外の世界からの刺激)、
B「ダメなん?」⇒自分はどう感じたか(自分の内側)

C「え??私もそうしてるよ。店長に確認したらやっても大丈夫だって言ってたよ。」
⇒他人の意見を受けて(外の世界からの刺激)、第三者と関わった時のエピソード(外の世界で起こった事実の共有)

A「そうなん…!?知らなかった…えー。」
⇒他人の意見を受けて(外の世界からの刺激)
「私も今度からそうしよう」
⇒自分の意見を変更(自分の内側)

B「てかさ、飲み物少なくない?なんか頼む?」
⇒グラスが開いているのを見て、(外の世界からの刺激)提案する

こんな具合である。完全に筆者の主観なのと、外向的と言っても様々な人がいるので全ての人に当てはまるわけではない。参考程度に思っていただきたい。
基本外の世界⇒自分の内側 に向かっているという印象である。


内向的な人の会話の例と分析


では、内向的な筆者が、同じく内向的な友人と会話をするとき、どのような話をしているのかを考えてみた。

●最近体験した出来事についての話
●自分が好きなものについての話
●ある話題について自分はどのように考えるかの議論、意見交換
●過去にあった出来事や内的なエピソード

基本はこんな感じだろうか。自分を中心とした話題が多い。会話の具体的な例としてはこんな感じである。こちらも筆者による創作である。

A、B、Cで会話をしている例

A「最近、職場で○○さんと○○があって、すごく大変だった。自分のやり方とちょっと違くてやりずらかった。」
B「あ、それわかる。俺もこの前同じようなことがあった。そういう時ってどうすればいいのかわからないよね。」
A「Cはどう思う?」
C「私の場合は~だと思う。多分、○○さんは~っていう考えの人なんじゃないかなあ。わかんないけど。」
A「そっか、私は○○よりも○○を重視したいから、○○さんとは合わないのかもなあ。」
B「しんどいけど、うまくやっていくしかないよなーと思うよ。」

会話一つ一つを分析してみる。
A「最近、職場で○○さんと○○があって、すごく大変だった。」
⇒自分と第三者との間で起きたエピソード、(外からの刺激)自分はどう感じたのか(自分の内側)
A「自分のやり方とちょっと違くてやりずらかった。」
⇒自分と照らし合わせてどうだったのか(自分の内側)

B「あ、それわかる。俺もこの前同じようなことがあった。」
⇒他人の意見を受けて(外の世界からの刺激)、共感(自分の内側)
B「そういう時ってどうすればいいのかわからないよね。」
⇒自分の考え(自分の内側)

C「私の場合は~だと思う。」
⇒他人の意見を受けて、(外の世界からの刺激)、自分の意見を述べる(自分の内側)
「多分、○○さんは~っていう考えの人なんじゃないかなあ。わかんないけど。」
⇒自分の考え(自分の内側)

A「そっか、私は○○よりも○○を重視したいから、○○さんとは合わないのかもなあ。」
⇒他人の意見を受けて、(外の世界からの刺激)、自分の意見を述べる(自分の内側)

B「しんどいけど、うまくやっていくしかないよなーと思うよ。」
⇒自分の考え(自分の内側)


こんな具合だろうか。外向的な人も内向的な人も、会話という時点で外の刺激⇒自分の意見に移行しているわけだが、会話の中で重視している点が異なると感じている。内向的な人の会話の方が主観的体験、自分はどう思い、感じるのかを深く掘り下げられるような印象がある。外向的な人の会話では、話したいと思ったタイミングで各々発言をしていくが、内向的な人の会話の中では、会話を振られないと発言できないことがある。複数人での会話が得意でないので、ゆっくりと発言する機会がないと聞き役に徹してしまうのだ…(筆者がまさにそうである。)


結論


先にも述べたが、どちらの方がより優れているというわけではない。外界か、内側に興味が向くかの違いである。
外向的であれ、内向的であれ、結局は自分に合う人と深く付き合っていけばよい。
だが時々、自分と異なる向性の人と関わることで、新たな発見や刺激が得られるのではないだろうか。


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