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【読書会】『坊っちゃん』はおもしろい!だけじゃない!

2024年5月26日(日)仙台駅から徒歩7分「BACARO風見鶏」にて開催。
夜には飲食店として営業するらしく、レンガ貼りの壁やシックなインテリアが落ち着く場所でした。

参加者は主催者含めて7名!(初参加の方が1名)

まず自己紹介と近況報告。GWや休日の過ごし方など。
みなさん県外へ飛び出して、充実したブックライフを満喫された様子。福島県の文学館めぐり、東京の文学フリマ、神保町散歩や深大寺で開催される文学賞への応募などなど。
本にまつわる話題に、ワクワク聞き入ってしまいました。

さて、今回の課題本は夏目漱石『坊っちゃん』!
読書会の第1回で『こころ』を取り上げたので、漱石は2作目です。

漱石は「2」作め!というポーズ(嘘です。笑)

一人ずつの感想タイムでは、「読みやすかった」「すごくおもしろかった!」という声が多かったのが印象的。
『こころ』とはだいぶ違う、明るく軽快な文体で、まるで落語を聞いているような面白さだなーと思いました。

一人目の方の「『山嵐』がかっこよくて、タイプ!」というコメントに笑いが起こって場が和み、それぞれゆったりと感じたことを話していきます。

他の参加者の発言を熱心にメモ。

「坊っちゃんの、清へのぶっきらぼうな優しさがいい」
「江戸っ子らしい、気風のよさが心地いい」
「最後は勧善懲悪な話のはずなのに、すかっとは終わらない」
「一ヶ月間のできごとを、2週間くらいで書いているからか、疾走感がすごい」
「嫌味、皮肉、冗談がたくさん出てきて、すごくおもしろかった」
「『こころ』のどんよりした雰囲気と全然違っている。こんなに楽しい漱石あるんだ!と思った」
「『無鉄砲で損ばかりしている』気質。もともと持っている気質はおとなになっても変わらないんだと思った」
「解説を読んで、一見ユーモアにあふれた作品なのに、作品の底に、かぎりない『さびしさ』があるんだと知った」
「坊っちゃんは数学教師だからか、勘定するくせがあるんだと思った」
「食べ物の描写がいい。坊っちゃん団子をいつか絶対食べてみたい」
「帝大卒の文学士で、エリートになってしまった漱石は、本当は坊っちゃんのように生きたかったのではないか。この作品に理想と現実を描いたのでは」
「『坊っちゃん』をどう読みたいかによって、見方が変わってくるんだと思う」
「アニメ、映画などにも通じるようなキャラクター性がある。年代に関わらず、今の時代にも十分に伝わってくる」
「主人公の率直さは、自分の子どもの頃も持っていたものだと感じた」
「正しいことをしているのに、大人になんでとがめられるか分からなかった。常識的な考えを受け入れていくうちにだんだん疑問を抱かなくなる。何かを得ようとするなら、何かを失うことになるんだと思った」


いや~~~!深い!今回もまた、「読む人の数だけ感想があるんだなあ!」と感じ入りました。
表面的に見れば、江戸っ子の新米教師が大暴れする勧善懲悪ストーリー?
とシンプルな小説のようだけど、
みんなと一緒に読み合いながら、深堀りすればするほど、
どんどんギモンが湧いてくるし、物語がぐっと深まっていく。

『坊っちゃん』に関する解説書や、映像化作品なども、紐解きながら、作品の背景、漱石自身の生い立ちなどについての情報を共有しつつ、
じっくりと味わい尽くしました。
これだけの存在感と奥行きを感じさせる『坊っちゃん』。
国民的名作とよばれる理由が、少しだけ分かったような気がしました。

最後にお楽しみの「おすすめ本」紹介タイム。

毎回あらたな本との出会い!至福のひととき。

それぞれ、今読んでいる本について、目を輝かせながら語ってもらうのですが、その熱量たるや!聞いていて鳥肌が立ってしまうほど。
みなさん、おススメポイントについて耳を傾け、しっかりメモをとっていました。
読書会の回を重ねるにつれ、本好きな人は、やっぱり本好きな人を呼ぶんだなあと実感しました。この輪がどんどん広がっていきますように!

次回は6月23日(日)13時から16時まで。
今回と同会場にて
カミュ 『異邦人』について語り合います!お楽しみに!






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